バスストップに蝉しぐれが落ちて来て
ランニングシャツの男の子はおばあちゃんと手をつないでゐる
交番のお巡りさんは後ろ手をして
水色のシャツに葉影と蝉しぐれが揺れてゐる
でも、ランニングシャツの男の子はだんだん退屈して来て
おばあちゃんの手を離して若いお巡りさんに話しかける
バスは来るのかな
バーの階段を下りてゆけば
石のカウンターは涼しげで
タブレットに触れてオーダーをすれば
誰もゐなくたってすぐにミントジュレップが眼の前に置かれる
ミラーボールの影は天上に少しずつ回り
女や男の横顔に星空を張り付ける
タブレットにミントの泡が浮かび
ついでに見知らぬ男のチャットが浮かぶ
バスはもう来るのかな
バスタブに水を溜めておけって云われた
シャワーの水はすぐに切れって云われた
ストップロスはまめに
カッカきたらガリガリくんを喰えって
水上の上の藤原ダムは容水量が足りない
それなのに墨田の花火は中止になった
どっかが溢れ、どっかが足りない
遊び疲れて・・・
LINEにスルー、「いいね」ばかりじゃ困るじゃないか
ランニングシャツとタブレットと
都会の恋はだんだんメタリックになって
知事はあわてて夜通しパスを走らせやうと考えた
さて、何かが街にやって来る
バスは来るのかな
倉石智證