積み上げては壊す

つみあげてはこはす

緑が、支える

その下をスーッと風が吹いてゆく


手の指をまへに広げて、掬う

多くのものが指の隙間から逃げてゆく

きらきらと水に濡れて輝きながら

あるいは無辺の砂のやうに


わたしのベラドンナ

愛あるものと毒と

窓辺の下に置いて、風の花束

あなたの望むゆくへのまゝに


なつやすみ

白い捕虫網

永遠に過ぎ去りしもの

捕らえては逃がし

捕らえては離し

ときには無邪気に殺し

あまりに無邪気に


積乱雲が頭上に塔屋のやうに立つ

あゝ、断頭台に送るとき

どのやうな調べが

一番ふさわしいか


倉石智證