■村上豊「月光」
「村上豊展」が、東京都文京区の講談社野間記念館で。
月が出たサ
満月を両手で受けて
半月を尻に浮かべる
黄色いお月さまだ
おっぱいを牝牛のやうに出して
村はずれに行くのサ
鎮守の杉林の広場で
今度はキツネやタヌキと踊るのサ
夜はどんどん暮れていって
闇はどんどん深くなる
半月は尻に浮かびあがり
満月は差し上げた両手のひらの上にある
お月さんコンバンワ
といふわけにはいかない
安易は許されない
みんな黙って踊る腕の、脇の下から見知らぬとほくを見て
それと察して
いつかいつかと待ってゐる
踊りの輪は円いまるい影法師になる
倉石智證
