夜をほしいままにする

月の光りをほしいままにする

きっと泣けてしまふかもしれない

だあれもゐなくなって

冷たい清潔な光のなかに置き去りにされて


のをあある 

とをあある

のをあある 

やわああ


犬はさびしいのだ

啼くことを選ぶしかない

それは人と同じた

悲しいときに月に向かって吠える


夜になると誰しもが突然一人になって

そして真顔になって月に吠える

ぼくの場合はかうだ

エラリカウタキ

オスクボセモアマ

──────

月には兎がゐる


倉石智證

萩原朔太郎の場合は───


人家は地面にへたばつて
おほきな蜘蛛のやうに眠つてゐる。
さびしいまつ暗な自然の中で
動物は恐れにふるへ

なにかの夢魔におびやかされ
かなしく青ざめて吠えてゐます。
 のをあある とをあある やわあ


もろこしの葉は風に吹かれて
さわさわと闇に鳴つてる。
お聽き! しづかにして
道路の向うで吠えてゐる
あれは犬の遠吠だよ。
 のをあある とをあある やわあ


「犬は病んでゐるの? お母あさん。」
「いいえ子供
犬は飢ゑてゐるのです。」


私の場合───

北に

オーストリアがあって

スロベニア

クロアチア

ボスニア・ヘルツェゴビナ

セルビア

モンテネグロ

アルバニア

マケドニア

ギリシャとなる。


エストニア

ラトビア

リトアニア


カザフスタン

ウズベキスタン

タジキスタン

キルギス

となる。