アマドコロ知らむ

木下闇に

妻が摘んでくる

も摘まゝく思ふに

雨処知らむ

木下闇に


ずっと忘れられて、緑深く

仄かに憂ひて

ぽつぽつと小さき傘を吊り下げて

小人たちを呼ぶ

雨の合間に

入広瀬村の先の

大白川部落の手前

スノーシェッドを出たところの左


只見線が谷の瀬と共に走り

真っ直ぐに山間へと消へてゆく

静かな静かな田一枚ほどもない入り合いの国道の脇の


アマドコロ知らむ

木下闇に

妻が摘んでくる

吾も摘まゝく思ふに

鉄路が走り、瀬の音も聞こへる

そを、今も、今ごろも

雨処知らむ


倉石智證

浅草岳に行く途中の国道の脇の・・・。