「亭主の好きな赤烏帽子」

■久里洋二さん「六月の風景」

(絵は語る) 美味しいメロンジュースが飲みたくなった。

この後、レモンだと云ふはなしになった。

あゝ、これは遊びませう

と云ってゐる

三角帽子の彼は

ぼくと一緒に遊びませう

と云ってゐる


村の乾いた長い道を

リンを鳴らして三角帽子の若者がやって来る

リアカーを曳いて

カラフルな南の国のアイスキャンデーをいっぱい積んで


リンを鳴らすと

小さい子供のゐる家々の窓窓は全部開いて

村の家々の屋根の上の空はより一層青々として来る


キャンデー、キャンデー

えゝ、アイスキャンデーは如何ですか

まるでお伽の国から出て来たみたいだ

シャボンなズボンが風に膨らむ

メロンにマンゴーにパパイアにランプータン

みんなみんな子供たちを知らない異国に連れてってくれるのだ


倉石智證