なゐ過ぎて虚ろな昼の腹空かし

「亭主の好きな赤烏帽子」

天没、地没

とある詩人は云った

ぼくはつくづく人間って同じだなあ

と思ふ


腹が減るのだ

喉が渇く

寒い、つらい、さびしい

大人が子供にプラカードを持たせた

何とかしてほしい

大人たちは崩れて覆いかぶさった瓦礫を掘り返す

子供もそれが分かるから自分が出来ることをと

プラカードを持って路上に立った

助けてほしい

世界中から


しかし、まさか一人ぽっちになっちまったんじゃないよね

子供の眼が笑わなくなったとき

不安がよぎる

「无」(ブム/ない)「人」

おとうさんやお母さんがいなくなったのかな

おにいちゃんはどうした


子どもが着ているお洋服の

桃色が次第に垢汚れてゆくとき

天没、地没

ざっくりと地が裂けて

あゝ、尖閣とか靖国とかやっている場合じゃない


倉石智證