almost certainlyそのやうですな
王様の欠伸
尊大な
あー、面倒くさい、王様の卵
あわてず
さわがず
あきらめず
あきれかえらず
長い道のりだった
老人はどんなことがあっても
王様のやうでなくなてならない、と思った
真夜に坐してひとり
玉子を喰う
笑ふ
密かに笑ふ
そして、倒れるときは樫の木のやうに
どうっと倒れるのだと決意した
しゃぼん
almost certainly、きっと、さうだわ
女王様は尊大に振る舞う
鏡よ、とくるわけだ
舞踏会の時だけ丈高い金の靴を履き
くるりと12時の方にターンする
すると林檎が右手に熟れて
魔法よ、鏡よ、鏡よ
思い切り泡をたてゝ、シャボン
ときに王に諂へつらふときもある
船で出掛ける
大層に着飾って、
長い幟を幾重にも空に流して
トランペットも高らかに鳴らす
進め、あの島々へ
兵士たちはいきり立って舟の上で右へ左へと行進を始める
しかし、王様は急に退屈し始める
女王様はあわてる
きまぐれこの上もない
たとへ、死を目前にしても
かってこのやうなことはいままでに在ったことなのか
名誉にかけて王はそのことは語らない
ただ、欠伸をし始めた
女王は、はじめて王である自分の亭主に疑義する
目の前の王とはこれほどまでに急に齢老いて
ただ頑固で、疲れ果て、退屈して真摯ではなく
・・・・・
船で渡る、緑の島
山羊が迎える
あれほどいきり立った兵士たちも二人を残して去った
真夜に座して王さまは玉子を喰う
女王は最後に鏡を捨てる
「王よ」と呼びかける
「われわれの島だ」
と、王様は応える
倉石智證