しどろもどろ
カツカレー、あんまり美味くて
けつねうどん、あんまりうまくて狐につつまれたやうな
しどろもどろ、夢のなかで先生にいきなり指されて
しどろもどろ、長い計算式が結局分からずに
しょっちゅう分からないのだ
そのうち嚥下を間違えてひどく噎せ返る
妻が白い目ではっしとにらむので、しどろもどろ
昔は若い娘さんに愛を告白されてつい、しどろもどろにもなったものだが
あゝ、陽気がが良くなってきた
春になると水も温んできて
泥鰌はどろから顔を出して大欠伸する
泡がぷくぷくと水中をたどり水草を分けて水面に届く
泥鰌の髯がまんぞくさうに肯ずく
下から見上げると水の上の空は弓張りだ
あゝ、泥から顔を出して
あゝ、春だなぁ
ところで、
つくづくと、このしどろもどろってなんだぁ
倉石智證