■1926岸田劉生「四時競甘」
浮かぶ
ぷかぷか
脳幹の上の辺縁系のあたり
あたゝかくて気持ちがいい
ぷかぷか
ほうふつとさせる
ほっ、ふっ
息を吐く
浮かぶ
かぷかぷ
蕪ら
どうやら白いやうだ
それに、浮かばせて
ピーチ
あの尻辺が気になる
どんぶらこ
どうやら桃は流れ出すやうだ
あっ、あっ・・・眼の前を流れ去ってしまった
眼の裏の、真後ろの
あゝ歯がゆい
痒い
産毛がこそばゆい
尻辺に仲間が集まって来て
桃栗三年に、柿も
尻をくっ付け合わせて大騒ぎ
桃は木の上でさやいでいたのに
蕪らは黒土の上に座る
よいこらしょ、どっこいしょ
みんな空を飛んで来て、石榴も
脳幹の上の辺縁系のあたりに
浮かぶ、かぷかぷ
寄せ集まって
尻辺に、くっついて
大賑わいでなんだか仏様の前のやうだ
手触り
そして、
おいしい
倉石智證
岸田劉生(1891-1929)
岸田劉生はこんな絵も描くんだ。
娘の麗子像、
どっちも本当の劉生。
