去年の5月の連休のことでございました。

或る藪の中に入ると、

低灌木にくちなわが巻きついてゐる。


くちなわ

なわ綯ふ

愛の交接の恐ろしき

日がな、枝上にて

ゆるゆると、ずるずると

交はう


小春の、枝上にて

人も懼れず

見向きもせず

鱗を光らせて

しかも、懈怠に

日がな、果てもなく

頭もなく、胴体もなく

外聞もなく、ただ

くちなわの

縄綯う

ひがな


倉石智證