たとへば

絵や音楽は

幸福だ

眼で見

耳に聞こへる


ところで

言葉は、困惑する

食べられる

咀嚼し、食道を通って

胃袋に落ちる

詩になる

なるほど、腑に落ちる


猫の奔放を超えられない

犬の賢慮に従ふ

蝶の軽やかさには及びもつかない

赤、白、黄色

赤と白

いや、白と黒


麦の穂

あの静かなうす緑色から

天の配慮の黄金色まで

空に伸びる

根は知らない

そして、風だ

麦の穂の幸せ

絵や音楽は幸福だ

そして、詩は、

佇む


倉石智證