お嬢さんはいいね

きれいで

ふと、交差点で欠伸する

喉ちんこがすっかり見える

世界が映る

少し熱を持って腫れてゐるよ

どうしてなんだらうね

世界がこんなに忙しくて、熱を持っているんだなんて


大ガードを潜ろうとして車が動かない

あゝ、検問だ

交差点に停まったら、前後を剥きだしの若い女の子の脚が闊歩してゆく

ビックカメラを右手に

左手に小田急DP

あゝ、やっとわかった

この広場のループに、大型バスがやっとのことで右折してゆくが

大声が広場の駅ビルのあちこちに木魂してゐる

あゝ、鹿野大臣だ

真剣だ

眼がつり上がってゐる

真っ白なハチマキまでして

道を挟んで駅舎の前に渦巻く人たちに大声で何か叫んでゐる


総理、そうり、ソウリ

あっ、あっ、と思っていたら今度は野田さんが喋りはじめた

僕はゆるゆるとそのまゝ、前を通ってヨドバシカメラの方へ行く

大声で叫ぶ

喉ちんこが見えるぞ

お前のではない

やだ、やだ、やたらに煩いばかりだ


お嬢さんはいいね

きれいで

ふと、交差点で欠伸する

喉ちんこがすっかり見える

世界が映る

ぼうぼうとこの新宿西口広場に

ループした谷間に

座りも出来ず

立つこともできず

こんなことをしててもすっかりまへにも進みも出来ないんだから

声ばかりが京王DPの方までスッ飛んでゆくよ

声を張り上げるたびの喉ちんこだ

おゝ、いやだいやだ

お嬢さんはいいね

きれいで

ふと、広場が、

おおきな空気が、ループした目に見えないエネルギーの

秋めいた立方体の

まだ熱を持つ夏の尻尾の

あゝ、周り中の見物人の、

もう我慢しやうもない、大欠伸の


倉石智證

新宿西口前

夕方の4:30ころのことでした。

すごいお巡りさんの数が。

海の向かうのことがここまで噴き出して来ているという感じ。