「亭主の好きな赤烏帽子」

牛モツを喰へ

月が出たゾ

ようし、どこにいてでもシャルウイダンス


顔が瓦礫とおんなじなって

でも、かへって来てくれればそれでいいさ

瓦礫のなかの顔だ

見分けがつかない

でも、スッと、夏草のぼうぼうと茂った間を

灯りを頼りに

思い出のなかに帰って来た

どこをどうやって来たのか

写真立ての隣にゐる

笑ってゐる


おうよ、月が出たゾ

牛モツを喰へ

ススキの原で

真ん丸な月の下

踊り明かさう

ようし、

どこにいてでもシャルウイダンス

泣くな

顔がくしやくしゃになって


倉石智證

もう、1年半が経った。

今日は「9.11」の日だ。