どうだ、この槐の葉の
細やかな見事さは
小指ほどの卵型の葉っぱが
お行儀よく対を為し葉茎に並んでゐる
嘘だと思ふなら
少しこの微風の下に
ゆっくりと足を止めて
夏の青空を見上げてみたらいい
あゝ、眼を喜ばすこの葉叢の対称性よ
中空の青空を無数の韻律やリズムが句切ってゆく
葉叢が揺れるたびに無数の緑色した小人たちの手も揺れる
同じやうにやさしく品をつくって
手招きよせ
また、いたずらっぽくあちらへと押しやる
長い舗道をお母さんと小さき女の子が手をつないでやって来る
母は何かを話しかけ
日傘の下に乳母車を押す
頭がぽち、と入れるくらいの日影だ
小さき子が見上げ
あどけなき
あどけなき笑い顔に
槐の揺れる葉叢が木漏れ日を落とし
母の日傘にも、木漏れ日の影が降りかかる
あゝ、あそこにバス停があって
日影に休んでゐる老人がゐる
顎に手をやり、ベンチに腰をおろして
眼を喜ばすこの葉叢の対称性よ
鳩が降り立ち、雀は梢から梢へ
蝉がこんなにも幹に鳴きしぐれてゐる
大揚羽が乱雑に葉叢の下を翔びゆき
ひらとした黒い翅影が壁を上下に横切る
小さき女の子がスッと
かあさんのパラソルの下の陰から前へ出る
お母さんの手を離し
バス停の方に向かって少し小走りにゆく
老人は日影に疲れ
バスは来るのだらうか
ようやく午後になろうとしてゐるこの時
影が縦になり
女の子の背はちょびっと伸びた
確かにそのとき時間が少し先に進んだやうな気がした
倉石智證
句日記を大分省いているが、この日にはこんなこともあった。
美香さんの飛んでイスタンブール紅付けて棺に生きてきれいに(智笑)
■シリア北部アレッポで銃撃を受け死亡したジャーナリスト、
山本美香さん(45)の姉妹ら遺族が23日夜(日本時間24日未明)、
トルコ西部イスタンブールにあるモスク(イスラム教礼拝所)で
美香さんの遺体と悲しみの対面をした。
「ああ、いつものきれいな美香だ」。
運命は不可分で必然で不可避だ。
ときに、痛ましくない死なんて珍しい。
魚は川で死に、カマキリのオスはメスに喰われる。
東亜日報は22日付の社説で
「日本はだだをこねている。感情的な対応を自制するときだ」
日本がICJへの共同提訴など対抗措置を示したことでメディアの論調は逆回転。
韓流の恨に火が付く竹島をタダこねてると日の本に云ふ(智笑)
秋刀魚焼く 煙の中に 妻を見に(智笑)
昔こんな風に書いたこともあった。
いくらか、風の中に別な匂いがあって、
ああ、そろそろ秋が来る、来ているのだなと察せられる。
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行)
しらつゆに風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける(文屋朝康)
もうすぐ・・・