もぬけの服が空にハタメク

まるで無数の誰かの国旗のやうだ

剥かれた林檎の皮がS字に伸びる


人間の死や不在は無ではない

そこに誰かが居なくなったとしても

思ひだけはそこに残る

誰も居なくなったからと云って

なんにもなくなった、といふことにはならないだらう

それに比べたら虫たちや植物たちや魚たち

鯨やホッキョクグマやセイウチなどは

かはいさうなものだ

膨大な死の傍らを

芽が出る

育つ

生まれる

しかし、世界は相変わらず

砂まじりの、肌にうちつける暴風が吹き荒れるばかり


この、裏切りものメ

居るはずもないところからTELが鳴る


海端の瓦礫には今でもボロが襤褸らんるとぶら下がる

色があせないどころかますますぴかぴか光る

屹度、タレカが腕を通したり、脚を通したりしているんだ

Space in Apple

林檎も皮も宇宙に浮かび

地球上の多くの不幸な出来事とにかゝはらず

ただその頭上を通り過ぎていった


静かだ・・・

あゝ、あそことあそこに

また煙りが上がってゐる


倉石智證

(森本wrote)

国家とは、国境とは、・・・・

ドイツにいって間もないころ、
夜中にものすごい音が窓の外から聞こえたので
びっくりして飛び起きたことがありました。

それは目の下の通りを、といってもそう広くない石畳の道ですが
そこを戦車の隊列(3台くらい)が通過していくのです。
所は東ドイツとの国境に近いブラウンシュバイク。

平地で国と国がわけられているところは、こうなんだと実感した瞬間でした。
国境は力で作り、力で守り、妥協しない、そんな国もあるし、
日本のように、普段国境というものをまったく意識しないで
暮らせる国民もいるんだ、と考えた次第です。

スペインという国もなかなか複雑な国だ。
フランスとの国境に「アンドラ王国」がある。
この国の将来はどうなるか、も面白い。
スペインの南端はどこか。カナリア諸島をのぞいて。
ジブラルタル海峡をはさんで、イベリア半島の南端の町が
ジブラルタル。イギリスの領土。
かたや、アフリカ大陸の北岸、モロッコの片隅にセウタという町がある。
これがスペインの領土。
これまたややこしい。
当事者でなければ、国境問題は実に面白い(国賊です)。
もちろん、かつての中国のように国境なんて意識しない国もあった?


(倉石wrote)

知るなんてことより、
体感することなんだね。
ブラウンシュバイク─アンドラ─ジブラルタル─セウタ
知らんかったもん。
栗林中将の無線機、なんだか泣けてきます。
記事、見逃すところ、ありがとうござんした。

僕は前から白洲次郎(吉田茂の懐刀 ? 東北電力の社長も)というお方が
どうも腑に落ちなかった(今でも)ので、ちょいとチェックしてみた。
硫黄島の戦い───
栗林中将53歳戦死(知米派)
西竹一ことバロン西42歳戦死(1932ロスオリンピック馬術で金メダル)
白洲次郎42歳・・・
前年の1944年に武相荘に引っ込んで百姓のまねごとを始めている。

西竹一の府立一中(日比谷高校)の同期には小林秀雄、
白洲次郎の神戸一中の同期には今日出海
小林秀雄と今日出海は東大で仲間である。
ついでに云へば、
1942大日本文学報告会が設立され、小林秀雄や亀井勝一郎などが集まってゐる。
「民族の歴史的絶対」について云々。
この戦争は西洋文明の延長線上にある、などと。
結局結論も出ないたわいもないお話でお茶を濁した様子である。

栗林さんも米国では鉄鋼所や石油精製所を回ってゐる。
アメリカのハイウェーを車で運転し
「米国って広くていいなあ」
となむ。
白洲次郎は英国へ。
バロン西も、白洲次郎も同じやうな外車ベントレーを乗り回し、
趣味もカメラとか似通ってゐる。
とにかくこの人たちは米欧列強と日本との物理的彼我の差を
うんざりするほど知っていたのだ。
片方は死んで、片方は生き残った。

栗林さんもバロン西も白洲次郎も米欧列強に対しての情報量は同等に持っていた。
1944,3~インパール
1944,6マリアナ沖海戦
1944,7/7サイパン陥落。
東条英機退陣。
1944,7ブレトンウッズ会議
世界の戦後の体制が示されようとしていた。
すでに勝負はあってゐた。
ここからあとは、ただの膨大な犬死になる。
1944,11/11松代大本営工事開始
1945,2ヤルタ会談(ロシア参戦、戦後密約)
サイパン時で終戦にしていたら・・・
ロシア参戦(45,8/9)、
6万人(教科書では)のシベリア抑留者も。
1945,2~硫黄島の戦い
1945,3/10東京大空襲
1945,4沖縄戦
・・・・

サイパン陥落でその時点で、もし情報を有する白洲のやうな皆さん方が、
体を張って終戦を提示出来ていたら、
その後のおよそ100万人以上、いやもっと多くの日本人の命が、
他国の方の無辜の命が助かったはずだ.。
プロはそれは不可能である、ということを知りつつ突っ込んでゆく。
アマチュアはそれは可能であると思いつつ命令する。
卑怯ものは怯懦のすえに退避する。

「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張、我に与らず」
海舟と諭吉の関係にも似ている。
その肝心の時に、命が欲しいと本所辺りに引っ込んでゐた合理主義者。
維新を回転させた人たちは精神の人たちであった。
むろん文明論の人は福沢諭吉である。
合理でない人は阿南惟幾のやうに、多くの若者たちを死なせたとか、
自分がそう簡単にやすやすと死なないやうにと、
何時間もかけて切腹し、のたうちまわって死ぬのだ。

栗林中将は松代に大本営らしきものが掘られつつあることを手紙で知ってゐた。
松代からはあんな灼熱地獄の洞窟に故郷の林檎(Apple)も送られてきた。
洞窟のもっとも暑いところは60度にも達したと云ふ。
2万人以上の毎日の食事、睡眠、排せつ・・・
風呂なし、のみ、しらみ・・・

「亭主の好きな赤烏帽子」
■12,8/20毎日新聞(遺骨収集団が19日に発見した無線機) 

玉砕電報に───
国の為重きつとめを果たし得で矢弾尽き果て散るぞ悲しき
→口惜しと、改竄(なんと云うことだ)
また、残存部隊に以下の指令を、
一、戦局ハ最後ノ関頭ニ直面セリ
二、兵団ハ本十七日夜、総攻撃ヲ決行シ敵ヲ撃摧セントス
三、各部隊ハ本夜正子ヲ期シ各方面ノ敵ヲ攻撃、
   最後ノ一兵トナルモ飽ク迄決死敢闘スベシ 大君{注:3語不明}テ顧ミルヲ許サズ
四、予ハ常ニ諸子ノ先頭ニ在リ

12,8/14日経夕刊に
上田市の会社員の方がお仲間たちと「松代大本営」のドキュメント映画を
今春完成させた記事が載ってゐた。
ここでも、泪がすっと松代に集まる。
多くの朝鮮人労働者が駆り出され動員され、昼夜兼行の掘削作業に。
発破や落盤の事故、栄養失調で死亡したり、逃亡した者も少なくないと云ふ。
さらに自殺したり待遇改善などを要求して射殺された者もおり、
犠牲者は3百人とも推定されているが千人という説もある。
だが、終戦時当局はすべてを燃やしてしまったため
朝鮮労働者で犠牲者はたった4名しか名前が特定できないと云うことだった。

「亭主の好きな赤烏帽子」
■松代大本営は1944,11/11日、午前11時に着工したと云ふ。

栗林中将も、バロン西も死んだ。
1945,4/7戦艦大和沈没
日本大学中に卒業させられ筑波演習に入営ということになった竹内浩三は、
「筑波日記」を書き残してゐる。
苛酷、閉塞の中で青年の眼は四季の移ろいや美しいものにのみ向けられてゆく。
1945,4フィリピンで戦死、23歳。
出征前、生まれたばかりの姪っ子にこう書き送っている。
「お前の生まれたときは、お前の国にとって、ただならぬときであり、
お前が育ってゆくうえにも、はなはだしい不自由があるであろうが、
人間のたった一つの務めは、生きることであるから、その務めをはたせ」
不思議だ。
みんなこの世が恋しいのだ。
アンネの日記では1944年3月25日
「死んでしまった後も生き続ける仕事がしたい」
とアンネ・フランクは書いた。

しかし、生き残った文明の人らがそれからの日本の復興を立ち上げてゆく。
文明論の概略である。

(寺島wrote)
今の国際情勢の最大の攪乱要因は急成長する中国です。
このことから、智笑兄ご指摘の今日の憂き事の殆どは理解できると自分は思っています。
中国の現状について前にも言ったかもしれませんが、
中国は日本の10倍の人口で経済は日本の10分の一の規模です。
いかに資源効率が悪いかという話がまずあります。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4060.html
それよりも、今の規模で世界中で資源を巡って軋轢が起きているのに、
経済成長が鈍ったとは言え、成長をさせていくのは国家の至上命題であり、
この先も世界中で対立し、紛争がおきることは必至です。
成長が止まると国内混乱、激変が起こりかねない。
これを根底に考えると、
極東にあっては、ロシアはいまのところシベリア東部開拓への
中国の資本と労働力への期待で動いているようだが、
中国に乗っ取られるという不安も出つつあるようです。

両天秤になると、日本のチャンスもかなり出てくる。対露関係の改善にはこの戦略が必要。
中国は北朝鮮に手を焼きつつも、混乱回避から現状維持に期待。
日本は中国とロシアの微妙な緊密関係に楔を打ち込むチャンスがあるかもしれないが、
領土問題で中露に挟撃されてしまっている。
(ベトナムとインドは日本が期待していい)
中近東も中露の影響が影を落としている。
アメリカ、NATOにとってはイランの核問題は国際情勢の最大の攪乱要素です。
シリアで関係国が政治的に対立している根源です。
シリア、イランは中国、ロシア、北朝鮮の利害関係の最前線でしょう。
シリアの結末は周辺国(トルコ、ヨルダン)に影響し、国際的にも影響するのは必至。

このような時に尖閣、竹島で挑発されて8月15日を迎えたのは残念なことです。
どうなるかわからない中国にいい顔をして友好を唱えても、意味はないです。
結局、日米同盟を基本に国の態勢を整えるしか選択はないと思います。
外国や国民にいい顔をする政治ではなく、必要なことを説く政治が必要です。
TPP、原発も同じことです。

靖国について一言だけ。国会議員が8月15日に参拝したとか、初めて民主党閣僚が
参拝したとニュースになります。
戦争で犠牲となられた英霊を国民がこぞって追悼する施設がないことが不自然です。
どこの国にも、国賓が来た時に英霊に敬意を表する場所があります。
日本にそれに当たる施設がないのは変です。
他方、靖国が、かつては陸軍省・海軍省が共管し、戦争遂行”機関”であった靖国の過去を
否定することはできません。従って、国家の追悼施設にはなりえません。
昭和天皇がA旧戦犯の合祀をきらったというのも、過去の歴史と純粋な宗教性=追悼施設の
混同を感じたからではないでしょうか?

あゝ、暑い夏が過ぎてゆく。