辺境のガリラヤからキリストさまが歩いて来る
異境の花巻からは賢治さんが歩いて来る
深く帽子を被って、うつむいて
天体の星の軌道に沿って二人とも
激しい振動と共にロケットは飛び立った
H2Bはわずか数秒で雨雲の中に消えていった
多くの、丘の上や斜面で見ていた人たちは
ほおッと、ため息をついた
しばらく轟音が聞こえ
気づけば雨がやんでいた
初めに神様の思いがあった
初めにあったのは神様の思いだった
思いは神様の胸にあった
なめとこ山の熊たちは祈り続けている
だから、
どんな人にも、よい関係を保てる数学の段階というものがあるはずだ
長い時があって、
それが人々の手から手へ
まぎれもなく脳髄や心といふやうなものから
胸の奥深くから手渡され
一つはフクシマへと
気がつけば雨がやんでいた
雲の下、西瓜の匂ひが漂った
何か、平和な夏の匂ひがした
ガリラヤの人も、賢治さあも
多くの群衆の中にゐたか
倉石智證
ガリラヤ人の契約や論理というものが数に結びつき、
文明という坂をのぼりつめてゆく。
賢治さあはそれらを宇宙や元素の中に感応、検証し、
曲がったてっぱう弾のやうになって言葉をこぼちた。
はじめに言葉があったのだ。
フクシマは破綻し、
H2Bは雲の中へと吸い込まれていった。
