五月の薔薇は

五月の棘を引き連れて

五月の薔薇は

五月の朝の露とともに

咲ゐたよと

ひっそりとわたしに告げに来る


青蛙が細い枝に陣取ってゐる

空とぼけて

見られているのも知らない風で

佇む私の影は朝の光りに伸びてゆく


あゝ、五月

五月の薔薇が花開く

ほら、ごらん、SSが村の一本道を音立てゝ帰って来る

ツバメが翔んで

小鳥たちは電信柱の上に

咲ゐたよ、

とわたしに告げに来る


倉石智證

SS=消毒散霧車

朝飯前に、風起きるお昼の前に、

何しろ朝一番のお仕事になる。


「亭主の好きな赤烏帽子」

葡萄はベト病(ベルクート水和剤)、

李はカイガラ虫に。