スカートを穿いた教授

教授がスカートを穿いた

あべこべはべこべあ

大股で歩く

キルトがひるがへる

心から、

腕を組んでダンス


不思議な国のアリスでは

うさぎもスカートを

ねこも、ねずみもスカート

鵞鳥はリボンを結ぶ

なんの不思ギもない

やをら、であり

おもむろに、であり

はッとする


あべこべはべこべあ

妻がズボンを穿き

教授がスカートを巻く

妻がふんぞりかへって新聞を読み

教授がカレーをかき回す

何のことはない

講義をする

教授が実験をし

生徒が熱心に教壇に立つ


晴れた日には青空が空に笑ひ

雨の日は雨粒がアムブレラに歌ふ

決して───

勤労や読書を奨めているわけではない

努力やお祈りを強要しているわけでもない

をもむろにはハッと

あべこべはべこべあ


ラジオ番組に出た教授はそれから

バルーンに掴まって高円寺界隈をふわふわと飛んで行った

あゝなんと

ゆかい、ゆかい


倉石智證

われらが同期、千葉大学夏目雄平教授は、

この夏の節電をきっかけにスカートを穿くことに。

なんともはや唐突に愉快である。

穿いてみたら意外とこれが快適で、

とてもやみつきになったやうである。

講義、通勤、巻きつける───

名物教授はきょうも行く。