夏の陽に

手拭を手指に縛ひて水に潜る


じゃ籠に石を落とすな

うなぎの面がつらつら

そしてまたゆらゆら

ふんどしを落とすかむなぎを召すか

バカにすな 水にゆらゆら

陽の光の水の下

ウン、スン、フン

ああ、ダメだ

うなぎか蛇か水面を

彼方にわらうらと上手にわたって行くばかり


胸の水を掻け

水の滴りを陽にまかせ

宿題を忘れ、放埓に

あるものゝ西瓜、トマトを水にはうり

わが身も灼けて水に放りぬ


ウン、スン、フン

ひがなに

たとへば柳葉を枝に取れば

鰓に差す小魚の

わかさぎ、鮠、オイカワの類

自慢げに腰に重たくなりゆき

父も母も、先生も

命令をはるかとほくに忘れた


こそばゆひ

次につぎに足裏にとび込む小魚

正直に

真っ白な積乱雲に笑ふ

まさに ウン、スン、フン

ながいながいお昼寝の時

わたしはあのふとい山よりも正直になった


倉石智證