M薄気味悪ききみの名は便器の中の水が揺れてる
Mはマグニチュード、である。
けふ、9.0に変更された。
午後2:46分、宮城県沖に巨大領域に入る地震が発生した。
(「東北地方太平洋地震」)明治以降観測して以来国内最大の地震に。
M8.8(スマトラ沖がM9.0)、震度7。
東京でも震度6弱。
交通網は電車がストップ、全線で運転を見合わせている。
駅は帰宅できない人たちで混雑している。
都営バスは全線で運転を復活。
本棚の本が大分落ちた。
すぐに津波警報が出され、後片付けをしていると
津波が宮城空港や海岸の村落に襲いかかっていく映像がTVに映し出された。
駐車場や道に駐車されたままの車がまるで紙屑かなにかのように
軽々と泥流に押し上げられ流されていく。
道路を走って逃げてゆく車。
呑み込む泥流。
畑のビニールハウスも、家々も簡単に呑み込まれてゆく。
千葉県市原市にあるコスモ石油のタンクが爆発炎上している。
ブタンガスの文字が確認できる。
ライターに使うガスである。
我々は云い続けていたのですけれど、最悪の状況になっていますね。
入って消化活動ができる状態ではありません。
東京タワーの先端のアンテナが右側に曲がってしまっていることが確認された。
真っ黒な泥流がいくつもの塊に分かれて内陸に向かって一瀉千里と流れ込んでいく。
畑地帯はあっという間に黒い泥流の下に、
お墓もビニールハウスもことごとく呑み込んでいった。
帰宅時間に入ったが二次的な被害に遭う可能性も出てくるので
職場など安全な場所で待機するようにと枝野官房長官のお願い(18:05NHK)
町が海が日が暮れて行く。
ヘリコプターからの映像では大洗の海岸辺りには
陸地の内部にも灰色の渦がいくつもいくつも映し出さされた。
ハワイ、南米、北米にまで津波が伝播していくでしょう。
どのチャンネルを入れてもすべて地震と津波のニュースが映し出されている。
続々と災害の被害情報が入ってくる。
相馬市では海から5㌔ほど入った国道も被害に遭ったとニュースが、
すでに死亡された方や行方不明の人数も報道されている。
原子力発電所に放射漏れの懸念も。
福島県原子力発電所は現在作動中で安全性を確認中。
ATMも停止、ガスも自動的に停止───、
管理人さんが一軒一軒回ってガスの解錠をしてくれた。
成女の女学生たちは今日は学校に宿泊することになった。
靖国通りには歩く人々で列ができている。
娘を迎えに行こうかととメールを打ったが、渋滞に巻き込まれる可能性も。
電話がまたつながらない。
電車も止まっているみたいなので
遅くまでとまっているようなら
タクシーかバスで実家に行くよー。
回復すれば奥沢に行きます。
出張中の社長から電話があって
「交通インフラが回復しないようなら、
タクシーとかばんばん使っていいからな。
遠方の人はホテル宿泊も大丈夫なので固まって行動すろ」
ですってー。
海とか見にいかないようお母さんに
言っておいて
どうする。
タクシーつかまるか。
どこかまで車で迎えに行くか。
むやみに車を増やすのも良くない。
バスで行けるだけ
行ってみる。目指せ新宿
それでも駄目な時は
携帯電話からメールするので
迎えてー
お母さんが云うには、
バスに乗っても動かない。
歩いて来た方がいいようだ。
歩いたらやく1時間くらいだろう。
あっちこっちへ移動するのはかえって危険だな。
渋谷も新宿も人でごった返している。
歩け、歩け、
体にいいぞ。
岩手大船渡の映像が映し出された。
通りはゴミの山になっている。
木々の枝にも、2階のあたりにまで流れて来てゴミが引っ掛かっている。
車がひっくり返って無慚に車腹を見せている。
大船渡市では火災も発生した模様。
釜石市では交番が流された。
水浸しの状態であるという。
補正予算を組むことも野党にお願いした。
国会図書館も書籍が床に溢れて散らばった。
山田町は多数の犠牲者が出ている情報が、大船渡市の細浦地区は壊滅状態だと、
生きている蛇の頭の如くゆく黒き頭の墓を飲み込む
仙台市名取川河口付近の畑や村落、ビニールハウス
渦を巻く津波無言に押し寄せる海震の謂ひ家も車も
夜になり零下3度の寒さなり青森に雪海浸りゆく
泣き面にハチこの国に災厄の議会沈没天没地没
シナリオが変わった。
ルールを変えよう。
民主党はチャンスだ。
子供手当も全部引っ込めて予算を修正。
東北太平洋地震。
何十兆円も必要になる。
みんなおんなじ国民だ。
釜石の海の市場に流れ込む水の早さに鴎飛ぶ翔び
ものすごいことが起こりつつあるのに、市場の屋根の上を飛び交うカモメたち・・・
海震のものすごきかな龍のかを海襲ひ来る波の飛沫の
わからない家族の一人津波来る私一人で自転車こいだ
高校生の女の子が・・・
船が来る横向きに来る町の中濁流の中海はどっちだ
もろともに船も車も丘の上に乗りたるさまにゴミの山なり
海神の後に火の神舐めりゆく気仙沼の夜熾き猛りゆく
気仙沼の火は熾き盛る眠らない不安の夜をネットで探す
山祇つみの地の眠りこそ眠られぬ地の傷跡の眠らぬ海の
地震エネルギー 阪神の178倍
幸不幸をり重なりて共震す店ただならぬ人の売上
災害時の食べ物屋との関連はほんとうだった。
コンビニにも人が食べ物を求めて溢れかえった。
11,3/12(土)晴れ
志津川高南三陸SOS文字校庭に為すすべもなし
校庭はともかく校舎の周りには雪がしらしらと積もっている。
エネルギーつくづく連鎖山深き雪深き村なゐの夜更けに
明けて御前深夜3時59分に今度は北信濃の山奥、栄村あたりを震源とする地震が。
震度6強であるとか。
森宮野原から十日町に続く飯山線の線路が
線路の下ががけ崩れのためごっそりえぐられてレールが宙に浮いてしまった。
豪雪地帯である。
宮城県沖の地震と茨城県沖の地震との連鎖、
影響があったといっていいでしようと気象官は。
北信濃森宮野原雪の村なゐにレールの宙に浮かびぬ
古くは地震を「なゐ」と言った。
鴨長明は方丈記に
「恐れのなかに恐るべかりけるは、ただなゐなりけり」
と書いている。
水浸し屋根にゐ残る人のゐてヘリのロープに命助かる
あちこちでヘリホバリング為すすべも無く孤立する命ちりぢり
憔悴す一夜を明けてゆっくりと眼の当たりする塵の芥の
すべてが樹木が木材や生活雑品の絡まったゴミの山となった。
夜が明けるにしたがってあらゆる風景や光景がむき出しになってくる。
子を抱いて母は寒さに唇を着の身着のまま足泥だらけ
救急隊員の腕の中に若い子を抱いたお母さんはそのまま気を失ったかのように倒れ込んだ。
はだしの足は泥だらけで、唇は寒さの限界を超えて青くなっている。
旗を振る人屋根の上病院の孤絶といふも痕水浸し
宮城岩沼南浜中央病院。
白衣の人も屋上に出たり入ったりしている。
陸前高田病院も弧絶状態。
電気が無い。
重篤の人などが亡くなった模様。
一夜明け見るも無残な景色かなゐ恐ろしき村が喪くなる
家の土台らしきものが残っているがすべて家の景色は津波に持っていかれてしまった。
爪跡といふも無残な水痕のいろしらしらと海に続きぬ
地の中のことは分からぬ陸奥と信濃の奥に龍の棲むらむ
こんなときミモザ花咲く庭影になゐの来たりて春遠ざかる
けふはよりによって高校時代の友人、福田くんの祥月命日。
告別の日に彼の自宅の庭に下りるとミモザの花が真っ黄色に咲き始めていた。
陸奥の人たちにも、福田君にもともにけふは手を合わせるしかない。
「助けてよ。どこへいって叫んでも返事がないよ」夫よ娘よ
娘と夫が生き埋めに。
福島第1原発爆発音、
午後3時36分ころ直下型揺れがありドーンという音があって白煙が上がった。
原子力の暴走(チェルノブイリ)であるか。
煙りが上がっている。
外壁が無くなっているように見える。
午後4時半ころの映像。
1時間に1015マイクロシーベルト/hの放射線が出ている(午後3時29分観察された)模様。
一般の人が1年間に浴びても差し支えない限度量をわずか1時間で。
家から出ないでください。
窓は閉めて。
非常に高い放射線レベルが観測されています。
何等か重要な事件が起きている可能性があります。
外におられる方は速やかに家の中に避難して下さい。
止むをえなく外に居られる方は肌の露出を避けてください。
口や鼻を覆ってください。
できるだけ早く屋内に入ってください。
そういう対応を取ってください。
枝野官房長官
すべての国民の皆さんにお願いしたいところですが、
全体の発電量の影響で停電になっているところもあります。
節電をお願いいたします。
節電に努めて頂きまして被害地の方たちが優先されますように。
必要最低限の電力が確保できますようにお願いします。
根拠のない情報を流したり、
チェーンメール情報を流したりなさらないように控えて頂いて
報道の方も含めてのご配慮をお願いいたします。
原子力保安院
情報収集と情報分析を進めておるところでございます。
原子力発電所の安全性について確認しているところでございます。
村長さん
重大な局面を迎えているのではないかと、
すでに3時間以上経過している。
政府は速やかに情報を整理して適切に対応してもらうように。
情報がないので今もってわからない。
毛布も足りない。
───5000人を避難させた村長。
次々と遺体確認夜になる浜暗くなる体育館に
釜石や屋根に水ある寒さかな
海から水が流れ込んできたかと思ったらすぐに屋根の高さになった。
家々を押しつぶしていく。家がそのまま屋根を浮かべて流れて行く。
これは映画じゃあない。
本当だ。
海は青いばかりではない。
海は真っ黒になって襲いかかってくる。
こんなことがあると、人間の営みなんて何なんだらう、
とつくづく考えさせられてしまいます。
愛別離苦───愛する人や、愛し合っている人たちに死が訪れるのはつらいけれど、
でも、愛する人たちの団欒が人間の営みをつくりあげているんだなぁ、
とまた考えさせられてしまいます。
トイレに行けば、
M薄気味悪ききみの名は便器の中で水が揺れるよ
山際に寄せ合うような街にサイレンが鋭く尾を引くように鳴っている。
あれは長年一家団欒を守ってきた私の家だ。
波が防波堤を乗り越えて街に一気に入り込んできた。
倉庫や家や通りに分け入るように流れ込んでいた水流が一気に膨れ上がって濁流となった。
家々が次々とぶつかり合い折り重なるようにつぶされていく。
白い埃が押し潰されていく屋根の上に立ちあがり、
私の家もバリバリと音を立てて引きちぎれた。
精神的な物質的なすべてのものが押し流されてゆく。
丘の上に逃れた人々は丘の上から、学校に避難した人たちは校舎の窓ごしに、
太い帯となって無数の蛇のようにときに頭をもたげて流れて行く濁流を眺めいった。
泣く人や抱き合う人たちもいたがほとんど皆は声も無くして茫然と眺めているばかりだった。
電気が遮断されている。
やがてすべてが真っ暗な闇の中に沈み込んでいった。
原初に還れば国会なんかいらないのかもしれない。
原初に還れば評論なんかも要らないのかもしれない。
そこあるのは必要なことだけ、
むき出しの壮絶な生きるということのみである。
分かりやすいではないか。
長い無駄な国会審議を続けるよりも、
今そこで寒さに凍え、水も食料も電気もない人たちに
直ぐにでも必要を届けることこそが一致した考えだ。
テレビ欄から娯楽の大半が無くなった。
新聞も紙面が急にうすくなった。
なんだか世の中が急にすっきりしたような感じだ。
人間とはつくづく不思議な生き物だ。
如何に日常が不必要な物事に満たされ
我々自身も紆余曲折しながら生きているかであろう。
本当に肝心なことが置き去りにされ、無駄なことのみに一生懸命になって、
あたかもそれらが正論であるかのように汗だくになって働き続けている。
本当は真剣で、真摯で、簡潔で明瞭なもの、
そうした存在や生き方がすぐそばにあるのにも関わらずだ。
日々が国難であると思へばそれに向かへ。
今度ばかりは一気に国難がなんであるかが毎日のニュースや映像で流されて、
それを国民も心痛む思いで見ている。
しかしながら本当は今までだって国難だったのだ。
その国難こそは少子高齢化で労働力減少と社会保障の問題であって
それにもかかわらず、国民も国会もそれを忘れて、
あるいは忘れたふりをしてお互いに責任を押し付け合っているというのが現在だ。
簡潔にすること。
真っ直ぐに必要に向かうこと。
必要最小限にするとは経済の諸原則、
出るものを減らして、入るものを増やせばいいことだ。
ないものを無理して支払い続けること自体もう限界を超えている。
一緒にいることが当たり前だった人たちが眼の前から突然いなくなってしまった。
「3月の風に想いをのせて、桜のつぼみは春へと続きます」───
すべてそうではなかったのか。
子供手当を無くしても飢え死にする子供は当面いまい。
だがあそこでは子供ばかりか、
その子供たちを養い学校に通わせなければならない親たちが路頭に迷おうとしている。
街も、村もそれらは空気であり、人々の暮らしを支える基盤であった。
海近くに住んでいた人たちは海と折り合いをつけて暮らしてきた。
船が丘に乗り上げ、町の通りをふさいでいる。
船の姿形も無残だが、それを見やる人々の気持ちの方もやるせなく引き裂かれる。
チャンスである。
災いを奇貨とする。
国民の感情のベクトルが整った今こそ、
環境が変わったのだ。
シナリオを変えよう。
子供手当も、高速道路無料化も取りあえず置いておいて、
すべてのエネルギーを東北500㌔の復興再生のために予算を組みなおそう。
1995,1月の阪神淡路大震災の時は補正予算編成で=3兆を超える震災対策費を計上した。
自らをして復興特需を作り出そう。
しかし、バカ者がゐる。
新宿駅でマイクを持つ報道記者の背後で相変わらず“ピース”をしたり、
ポーズをとったり、携帯をかざしたりいるあのバカ者たちである。
紙一重とはこのことである。
TVを見ている自分が水漬く屍であっても少しも不思議はないのだ。
社会を営むということが少しわかって来た。
倉石智證
一人救助された人がいた。
いつの世も奇くすしきことをしがみつく我家の屋根に三日漂ふ
飲み物を手渡され一口口にするとあとはさめざめと泣きだすのだった。
救助された男性は津波の濁流に自分の家の屋根に乗っかって漂流した。
自分の妻も含めてその間大勢の人の別れと死を余儀なくされた。
被っていたヘルメットは漂っている間に見かけて手にしたものだ。
彼はそして長いこと泣きやむことはなかった。
