10,11/27(土)晴れ

豆蒸かす豆はゑびすになりにゆく豆殻燃やす煙り甑こしき

庭先に竈をしつらえて豆がらを爆ぜるほどに燃やす。

甑には何升もの豆が蒸かされ、豆がらの煙と甑から出る湯気が

お天気のいい気持のいい秋空に立ち昇って行く。

老夫婦の顔に笑顔がこぼれる。

豆も夫婦もゑびす顔になった。

後は丁寧に拭いた藁苞に入れて、酵母の発酵を待つばかり。

茨城県水戸。

人々はみなそれぞれの深い信仰に生きているかのやうだ。

自然を喪くすとは人間の生命を無くすと同じことだ。

人々は、天然の微生物も含めて、自然の運行に身をまかせる。

「私が」ではなく「わたしも」なのであった。


土曜日、好き者が集まり、新蕎麦と津軽三味線のコラボに集い、飲酒また歓談。

翌日の日曜日、少し酩酊のまま関係者一同にメールを回す。

ちはやぶる神代もきかずねえさんの
袖腕まくり新蕎麦のばっさばっさと蕎麦打てば
ただ飲食や大食の夢藝の人も笑みわらひ
ときはころかとボージョレのルビーの色に齢忘れ
また立ちかへる青春に夜の更けゆくも忘れけり

みなさまへ
楽しいひとときをありがとうございました。
金子様には寒い店頭にて蕎麦打ち、
見事な腕前に感心いたしました。
五百樹どのには陸奥・出羽かほり、
安曇野・信濃1号、
それにボージョレ、デブッフ、
重い荷物を(三浦雄一郎ばり?)…
遠いところからその執念にほとほと感心いたしました。
真理どのには霧下蕎麦を持ってきていただいて、
男子の厨事、
ねえさまの脇でちょっと腰が引けた感じではありましたが、
それはそれはまたお見事、
夢藝飲食のほかの方らも、
パソコンやら、楽しい話題など、
つくづく一人では幸福になってはいけない(笑)なと、
心に思わせるナイスな集いに拍手喝さい。
蕎麦打ってボージョレといふ冬隣り
麺棒の転がる方へ冬ぬくし
新蕎麦や男もすなる厨事
蕎麦打っていい嫁といふ鬼無里かな
冬隣り、もみち散っていよいよ寒くなってまいります。
次回はまた人肌でお目もぢできる機会がございましたらと、
とりあえずありがとうございました。

智笑


10,11/28(日)晴れ

やはらかき耳好むものあやかしの豆腐屋の笛街下りゆく

秋晴れに街下は時に日が陰り、晴れているのに急に冷え冷えとしてくる。


認定に「晩秋」といふじいさんについ顔見合せるはてなの心

かみさんの田舎から電話があった。

由美子姉さんが云ふには、

調査の方が病室に訪れ、じ様に質問したさうだ。

「おじいちゃん、今の季節はなんでしょうね」

じ様はつまらなそうな顔をして、

「晩秋」

とはっきり答えたのだった。

認知度の具合を調べる質問だったのだが、答えはあまりにも模範的。

由美子さんと勉義兄さんは思わず口をあけて顔を見回す。

認定はどのくらいになってしまうのだらうと・・・


「大きい」「強い」「豊かだ」と白鵬は双葉山のことを。

白鵬の勝って真央ちゃん落ちにけり

勝負の世界はデリケートだ。

自身の恐怖心とどう向き合うか。

勝ちに行こうとする気持ちが平常心を失わせる。

心技体がばらばらになると云うのだ。

負けてまた相撲が分かって来るとも。

丸い土俵の上で相撲を取ることなんて、考えると全く普通のことで単純なことだが、

その単純なことの裏に奥深さがあるんですねと、

まだ、この若者にしてこの境地、ただ魂消るばかりである。

38歳の魁皇関もお見事だった。

12勝3敗という見事な成績だった。

真央ちゃんは傍目に見ていてもつらいなぁ。

心が技と離れてしまっている。

若い高校生が後から追い上げて来た。


あんパンは粒あん雪は牡丹雪坪内稔典

日経日曜俳壇

縫針を髪に滑らす十三夜(星野佑美)

たつぷりと生きてこの世の月浴びて(渡辺蝶遊)


そして、「たっぷり」で思い出した。

10,11/30(火)晴れ

浄瑠璃に「(太夫)たっぷり」と云ふ江戸の人背中せなから声のかかる師走へ

妻は新内を聞きに出かけた。

新内と浄瑠璃で管内の後ろの方から「たっぷり」という掛け声が飛んだ。

「新内と車人形『応挙幽霊艶絵姿』」───粋だねへ。


中井 洽(なかい ひろし)

「あんたには云はれたくない座れとか」立ったままする「路チュー」恥ずかし

11月29日の議会開設120年記念式典で、

民主党の中井洽衆院予算委員長が来賓の秋篠宮ご夫妻に

「早く座れよ」

などと不平を漏らした。

民主党はまるで子供の学級と化した。

言葉を扱うのが政治家の仕事だ。

それにつけても一般の常識を欠いたこの品性のなさ。


10,12/2(木)

紅葉降る傘の内なる惚れ女房

「おっかあの手を取る亭主、おまいさん、酒、止めとこう、また夢になる」

『芝浜』を東大落研、風呂屋さん助氏によって演じられる。

CDを自宅で聞く。

「おっかあ」と呼ぶたびにまた泣けてくるのである。


万年の亀死んでみる八ッあんの長屋の朝の鶴の一声

「亀が死んだって。今朝が1万年目だったのさ・・・」

というくすぐりである。

亀さんは健康長寿だ。

亀さんはTPPには反対だ。

「でもすぐにというわけじゃないんだろ」

と連立の手前一応情報を収集するのだ、という案には賛成の素振りを示して見せた。

庶民は安全(数量化が可能=日米同盟のようなもの)と

安心(数量化できない不確実な運命に対してみたいなもの=老後とか年金・医療)の同時を欲している。

こんなことをしているうちに国会は何も決まらないままにどんどん齢をとっていってしまう。


ギンナンの落ちて実のまま杞憂たり

ある人は拾ったばかりの未だ身の付いたままのギンナンの実を

袋を広げて見せてくれた。

都会でも外延とか御苑とか、みんな人それぞれの狙う場所があるのだ。


まなちゃんの名前愛かなしも母といふ名もなき妻は子の親でなし

柳瀬純子容疑者(34)は今年8月、

4月に離婚した愛ちゃん5歳の父親(48)と出会い系サイトで知り合い、

交際を始めた。

11月初旬から同居して月10万円でベビーシッターをするようになった。

柳瀬容疑者にベビーシッターの経験や保育士の資格はなかった。

どこか箍が外れたやうに狂っている。

東松山虐待死無残

■FIFAワールドカップの2022年日本開催を目指す招致委員会プレゼンテーションで

佐々木りおちゃん8歳のスピーチ───

「なぜなら、世界にたくさんのお友達をつくりたいからです」

最初の挨拶は英語だった。

「学ぶこととは何か」「子供とはどのような存在か」

年端もそんなに変わらない子供たちのこのやうな落差。

■玄葉戦略担当大臣のもと

3歳未満の子供手当を7000円上積みにすることが決まった。

13,000+7,000→2万円である。

財源の=2,400億円の手当はまだない。

子供がほんとうにおカネがかかって来るのは私の経験では一番は大学生の時代である。

幼児、赤ちゃんの時代に相対的にいっておカネがかかるなどというはない。

だいたいが政府からお金をもらって子育てするなんてそんなにうれしい、誇れることなのか。

子供は政府が育てるのではない。

子供ははっきりいって一生懸命親が育てるのだ。

愛ちゃんは哀しい。

ばらまいたからといって虐待死がなくなるなんてことはない。

どこか根本的に間違っている。

タコが自分の脚を喰ふやうに、こういうのを“花見酒経済”といふ。


10,12/3(金)晴れ

集まって銀杏の下の談義かな

妻は季節外れの野分の後だと、張り切って新宿御苑に出かけていった。

いつものイチョウの樹の下で、いつもの談義をするのだった。


イチョウ散って身のふり方を考へる


唐国の鍋にぎやかに銀杏散る

この場合はキムチ鍋など。


海老で鯛はて釣り落とす海老蔵の梨園の人のもの臭きかな

名門の取りこぼしだ。

お家芸は殴る蹴る呑む嘘をつく初春歌舞伎誰がちやほや


ドトールに枯葉舞込むエヘン虫

喉がいがらっぽいので昨日は青柳医院に行って来た。


智笑