10,2/23(火)晴れ
梅が香やのっと政男の夜半かな
夜のなかから太田政男くんがのっと現れた。
いい男は立ち去ったあとにも梅の香りがする・・・。
クロッカス咲いた太田政男くんが来た。
帰りしな3回も手を振って振り返った。
10,2/24(水)晴れ
どこにでも春を待たるゝイヌシュクのふしぎ素朴な石の素像の
イヌシュク(道しるべ)はカナダ先住民が創り出した素朴な石の積み上げである。
ただ単純に石が積み上げられ、そして“おいで”をしている。
10,2/25(木)晴れ
草食系男子ここにもリコールの糸張り詰めてあとに涙す
トヨタの章男社長は米国議会の公聴会で問い詰められる。
公聴会のあとの身内の会見場では、
「私は一人ではなかった。大勢の米国の仲間がいたからだ」
と一瞬声がつまり、涙した。
善人の顔して一太おまへもか情けなくなる自民ゼネコン
八つ場ダムのことで自民党議員が銭子をもらっていたことが分かった。
山本一太、小渕優子、中曽根弘文元外務大臣などである。
咲えみわれる19,20の処女おとめごの顔と腿との羨ともしきろかも
金城勝、35歳になった。お店のアルバイトの女の子カナちゃんを連れて来た。
千葉出身の育ち盛りの19歳の娘、明治学院大学の1年生、心理学を勉強している。
でも、島崎藤村が明治学院と縁があることはまったく知らなかった。
春一番が吹いた。
金姸兒が泣いて笑った。
真央ちゃんは悔し涙に。
全員19歳の花のにほへるお年頃だ。
髪おろし雛人形ひなの娘御ソチ語りリラックスして笑顔を浮かべて
でも少し悔しそうに次回のロシア、ソチでのオリンピックを語った。
10,2/27(土)曇り
われにふかき睡魔は来たるひとりづつ雛人形ひなを醒まして飾り終ふれば
(小島ゆかり)官女たちの息づく気配。
綿貫が亡くなった。
松本君からメールが入った。
長野高校17期の皆様、突然の事で驚きました。
あの元気な綿貫さんが、今日、急逝されました。
先ほど、奥様から連絡を頂きましたが
「昨日から、体調が悪く、今日病院へ運ばれて僅か1時間で帰らぬ人」
となってしまったそうです。
月曜日も一緒にお酒を飲んだ所です。
あんなに元気な彼がと、とても信じられない思いです。
・通 夜;3月1日(月)18時より 場所:ライフケア千葉会堂
綿貫や春一番にさそはれて
やっと、あたたかくなってきたというのに、なんということでしょう。
立松和平さんもこの間のことだし、うっかりできない――。
残念なことです。
合掌。
10,2/28(日)雨
釜石にチリの海来る冷雨かな
冷たい雨が降る東京マラソンの今日、
三陸沖辺りには=3㍍ほどの津波が押し寄せると津波警報が太平洋岸全域に発せられる。
1960年にM=8.5で=142人の犠牲者が出た。
チリ発日本太平洋岸へ。
つくづく海には私有権がないと考えさせられる。
金精こんせいの神に一筋雪の道(五十嵐藤重)
男根、陽物をご神体に崇拝。安産祈願に。
われと夫しわ深みたる手から手へわたす夕餉の牡蠣めしの碗
(菅原薫)
NHK日曜俳壇「下萌」
下萌や利根に力の戻りつつ
(森村和弘)
下萌の村に槌音ひびきけり
(東野了)
下萌の若草山に遊びけり
(土田勝)
下萌を飛んで下萌踏みにけり
(宮田よりを)
下萌や石鎚山のせりあがる
(渡辺睦子)
草萌にしづかな雨となりにける
(作者不詳)
草萌や人より羊多き国
(松丸伸子)
「下萌」でエクササイズ
下萌やもやもやもやと兒の襁褓むつき
良寛のいつむうななやぁ草萌へぬ
下萌や幾たび土の香をきけり
犬ふぐり下萌と云ふ光りかな
手術して剃毛のあと下萌へぬ
まろびつつ幼立ちたり草萌へぬ
襁褓とりて稚児ににぎにぎ草萌ぬ
下萌や旅立つ人もありにけり
綿貫が遠いところへ旅立った。
桃の花内裏雛するいい大人
さんだわら手をつなぎたる流し雛
藁で作った桟俵(さんだわら)で流す。
妻かへり鰤にひと塩桃の花
二松学舎の書道を観に漆間さんと。
帰りは小石川植物園で、梅に桃の花を。
スリッパに寄りて帰りを待ちくるるインコの孤独私の孤独(新田えいみ)
月あかり水脈ひく雲の波だてら夜空はすずし水のごと見ゆ(北原白秋)
「梅の花」
梅の花匂へば思ふ生命より後に残らむあはれなる夢(与謝野晶子)
わが体を内よりノックするひとよ白いひかりは梅の花だよ(駒田晶子)
産屋なるわが枕辺に白く立つ大逆囚の十二の柩(与謝野晶子)
奪われる命。晶子は11人の子供を育てた。
大逆事件は1910年、この句は1911年、執行直後か。
「牡丹」
牡丹散てうちかさなりぬ二三片(蕪村)
牡丹百二百三百門一つ(阿波野青畝)
「鯨」(小池光・歌人10,2/28日経)
昨日こそ船出はせしかいさなとり比治奇ひじきの灘を今日見つるかも(万葉集)
昨日船出したのに今日はここまでやって来たんだなぁ。
いさなは「勇魚いさな」、鯨の古名である。
「いさなとり」は海、浜、灘などにかかる枕詞。
「鯨捕り」
厚いどてらの重ね着ぎで、
/舟の舳みよしに見て立って、
/鯨弱ればたちまちに、
/ぱつと脱ぎすて素つ裸、
/さかまく波にをどり込む、
/むかし、むかしの漁夫れふしたち――
/きいてる胸も/をどります
金子みすゞは長門の国の漁村生まれ。26歳で若い命を絶った。
10,3/1(月)曇り
ハイチからチリへと続く怒りかな怖ろしきこと次は天そらから
ミサイルか、隕石か・・・豪雨、豪雪は始まっている。
地球の動悸が聞えるやうだ。
もう死者は=800人を超えた。
「政府の対応は思いやりがない。ずさんな政治はもう沢山だ」。
警報の発令もなかったところもある。
春愁や河溯る津波かな
チリの地震の津波が大利根を溯っていく。
海に見る赤旗オリンピク了り舫もやひ静かに次の波待つ
やれやれと胸なでおろす。最大でも今のところ120㌢の津波だ。
赤旗が港にはためいている。
「美帆ちゃんは長き修学旅行終へ」口さがなきはいつもマスコミ
ソチに向って「ヨーイ、ドン」だね・・・
雪白に山芋のせて冬の蕎麦
椿見てさくらチラホラ御茶ノ水指ピコ携帯夢押し続け
御茶ノ水駅に近づくと土手に椿に混じってさくらも咲きほころんでいた。
携帯を夢中になって押し続けている少女。
通夜に行ってきた。
拝んだ、呑んだ、酔いました。
肩の荷ををろせばみんなただの人眠りて柩花に満たさる
宮仕へひとの顔なり死してなほ
綿貫は本当に死んでいた。
謹厳実直に棺の中に納まっている。
目は絲のように細く縫い付けられたやうに閉じられ、皮膚は土色に張り付いていた。
君好きなさゝ呑ませてよ雛祭り
北澤くんと西船橋に降りて、居酒屋でしこたま飲んだ。
もうじき雛祭りだっつうに。
娘さんは二人とも大泣きだった。
孫娘も二人とも大泣きだった。