09,12/3(木)曇り
平らかに郁山越えて絹の道仏教伝来明らけくかも
平山郁夫(79歳)没。
薬師寺の『仏教伝来』は見事だった。
底辺を歩くデフレの林檎かな
スキヤが吉野家を抜く。牛丼は300円を切る。
白子喰ふ旨いなはと云ふこの科白せりふ
プリン体がいっぱい。
おびただしこの散りぎわを何とせう唐やく楓星のさまざま
厚生年金前のあたりからオリジン弁当に至るころ黄の紅葉葉歩道を汚していっぱいである。
星の形の葉っぱが雨に濡れていよいよ輝いて見える。
楓散るポスト周りを黄に染めて
富久交番の側の赤い郵便ポスト。
その周りに黄色い葉っぱの紅葉が吹き寄せられ黄色に染まっている。
『寒山拾得』(森鴎外)
唐の時代に閭りょという官吏がおり、遠く天台へ向う。
逢いたいのは国清寺にいるという拾得と寒山、
じつは拾得は普賢延命菩薩、寒山は文殊師利菩薩、。
閭が無事に寺に着き、僧に案内を請うと、
痩せてみすぼらしい格好をした小男がふたりが火に当たっているので、閭が名乗りでる。
二人は同時に閭を一目見た。
それから二人で顔を見合わせて腹の底から籠み上げてくるような笑顔を出したかと思うと、
いっしょに立ち上がって、厨を駆け出して逃げた。
逃げしなに寒山が「豊干ぶかん(阿弥陀如来)がしゃべったな」と云ったのが聞えた。
※豊干は虎にのっていて、拾得を拾ってきて、寺においた。
読むたび、世俗にとらわれず、意のままに次元を超えるようすが痛快で、
わたしも関を破り宙を駆けるような自由を味わう。
何度読みかえしても、気が晴れるのだ。
(平松洋子09,11/28日経)
月落ち烏啼いて霜天に満つ
江楓の漁火 愁眠に対す
姑蘇城外の寒山寺
夜半の鐘声 客船に到る
(唐の詩人「張継」)
秋は過ぎて冬にいたる。
さ霧消ゆる湊江みなとえの/舟に白し 朝の霜
ただ水鳥の声はして/いまだ覚めず、岸の家
烏からす啼きて木に高く/人は畑に麦を踏む
げに小春日ののどけしや/かえり咲さきの花も見ゆ
『冬景色』大正2(1913)年、「尋常小学唱歌」に載せられた文部省唱歌。
明治から大正に引き継がれた日本人の心の情景が親しげに立ち現れる。
細見綾子
峠見ゆ十一月のむなしさに(細見綾子)1946年の句
細見綾子は若くして夫に逝かれ、病身を故郷の実家の丹波に戻って養う。
丹波から但馬への国境の峠道を見遣った綾子のひそかな吐息、
蕭条とした晩秋の景観である。
翌年、綾子は心の峠を越えて旅立った。
人があっての峠である。
峠は「手向け」から来る。
餞別を手向け、あるいは「はなむけ」る。
出征という生死の境の別れも、また離れもやらぬ別れもあった。
深川から千住で門人たちに見送られる芭蕉の「奥の細道」では、
千住もまた彼らの離別の心の峠であった。
ふだん着でふだんの心桃の花(細見綾子)
はという句も詠んでいる。
(横澤放川・俳人09,11/28日経)
もの多さわに瀬の賑はひや年の暮れ(12/4)
09,12/5(土)午前中は晴れ、昼から雨になる。
朝6時に起床。
天気予報では関東地方、午後から80%の雨。
でも、高尾のお山に行くのだ。
今日は一年のお山の登り収めとする。
多摩川を広がり見れば枯れ色に蒼き水ゆく鋼の色に
聖蹟桜ヶ丘を過ぎて多摩川が一気に広がる。
鉄塔や高幡不動秋の色
落葉掃き女子学校の小使いさん
掃いても掃いてもきりもなし・・・だが。
毛糸帽晴れ引き寄せる高尾かな
毛糸の帽子を被った中高年のおじさんの肩越しに高尾のお山が青空に映えている。
もみじ葉を屋根に集めて高尾かな
渺と鳴るほら貝の音琵琶滝に杉の柾目を知る由もなし
高尾口に着いた頃はまだ完璧に晴れていた。
稲荷山コースをたどり、最初の見晴台に立ったころ、すでに曇りが空ににじみ出て、
晴れていれば筑波山も見え渡るというのだが、
新宿の方面も霞がかかって見晴るかすことはできなかった。
ミズ楢やクヌギも踏んでやはらかく落葉の嵩の親しみもかも
高尾山の山道はここぞとばかりに落葉が打ち重なって散り敷いている。
踏んでいく足裏に気持ちがいい。
引き寄せるおでんの湯気や老いの山
山頂の茶店で思わずおでんを注文。
あかあかとしたストーブの近くのテーブルによっておでんと缶ビールで乾杯。
富士山は見えず、紅葉もあるにはあるが盛りを過ぎ、寒さに暗く色を沈めている。
柿の木に幣ぬさ奉り蕎麦の店
高尾山の登山口の入り口高橋家蕎麦店。
1号路を下りてきて、最初に目に付くお店だ。
引き戸を開けて店内に入ると、最初に注連縄を飾られたた柿の幹が目に入る。
テーブルが配置され、奥には上がり座敷がある。
ガラス戸の向こうには紅葉が借景を添える。
「減ってゆくものを見ているのは楽しい」と義憲くんは云う。
最初にとりあえず生ビールで乾杯。
焼き味噌、湯葉こんにゃく、天ぷらの盛り合わせ
盛り蕎麦。
熱燗は「高尾山」を6本か7本か・・・
注文したものがどんどんなくなってゆく。
とくに熱燗がどんどんなくなって、お山に登りに来たことがウソみたいな具合だ。
いやはや盛り上がりました。
体も気持ちも温まって表に出るともう辺りの景色はすっかり雨のなかであった。
8時半、出発→頂上着9時51分
万歩計=8194歩
下山10:15→11:30高尾山口着
万歩計=計15949歩
タイガーも穴があったら入りたい浮世の玉の出たり入れたり
もちろん3連発の“ホールインワン”である。
おそろしいかみさんにドライバーで追いかけられ、車を消火栓にぶつけ、事故る。
妻のほかに3人ものガールフレンド。
900億円もの財産と「アメリカン・ドリーム」と。