日米同盟と国家主権

日本の与党は民主党になった。

国家戦略は主要で長期的な国家の方向像である。

影響を及ぼしている方たちがゐる。

常時駐留なき安保(寺島実郎)、

市場原理主義に反対姿勢(榊原英資)、

菅直人と小沢一郎を結びつけた(稲盛和夫)、

年金一元化に対する労働組合の足並みを揃えるのに(高木剛・連合会長)。


特に、外交安全保障の分野では日本はどういう選択をしたらいいのだろう。

外務大臣候補の岡田克也さんはかって、

「外交は宏池会でいいと思います」

宏池会池田勇人元首相が創設した自民党の名門派閥で、宮沢喜一氏も会長を務めた。

ハト派の論客宮沢氏は「軽武装・経済重視」の保守本流路線を歩いた。


反共の砦への大変換の後、

朝鮮戦争も終り高度経済成長への足がかりを得た日本は、

戦後の岸信介などの或る時、政官財のトライアングルや米国のあからさまな後押しもあって、

日本の一大日本帝国主義への揺り戻し(憲法改正か再軍備か)のような場面もあった。

しかし、結局は(理念、理想)より団子(パン、今日の暮らし)を庶民は選ぶ。

岸政権の後、経済首相池田勇人が就任した。所得倍増である。


高度経済成長も過ぎた。バブルも経験した。

停滞の15年が過ぎ、ようやく少し上向いたと思ったらリーマン・ショック。

米国発金融危機で時計の針は一気に逆回り、

日本も記録上最高の=5.7%の失業率に陥り、各企業はデフレにあえいでいる。

09,8/30日、衆院選挙で民主党が歴史的大勝利を収めた。

民主党、社民党、国民新党連立が相成った。


「正義」は危ない。拉致や沖縄の普天間基地移設、米軍再編、日米地位協定見直しなど

社民党が主張することどもにはなにか嘘っぽいものが混じっているなと国民はうすうすと感じている。

自民党が尻尾であるはずの公明党に振り回された。

そんなことを考えるとこの連立政権にも薄ら寒いものを感じざるを得ない。

当たり前のことながら正義では国民はおまんまを食べていけない。

社会党浅沼稲次郎さんよりもっと前からとんちんかんな理念ばかりを連ね、

いたずらに歴史を空疎に過ごしてきた。

しかし、民主党も含め、どうして誰も景気のことを云わないのだろうか。

リアルとは景気のことである。

景気とはきようのおまんまのことである

リアリズムに欠けた正義ほど国民生活を危うくし、暮らしを危うくする迷惑なことどもはない。


米議会、あす再開。医療保険改革、最大の焦点(09,9/8日経)

「誰もが手ごろで質の高い保険に加入できるようにする」オバマ大統領)。

今後10年間で=1兆㌦約93兆円)前後といわれる財源をどうするかも問題だ。

米欧の家計も痛んでいる。

9000㌦必要だ。

だが米国がイラク、アフガニスタンで費やしてきた予算よりも少ない」

オバマ大統領、米議会で演説(09,9/10NHK)

オバマさんにとっては戦争も社会保障もコインの裏表。

社会保障の財源をどこから手当するかだ。

おっかない共和党がゐる。富裕層への更なる増税は厳しそうだ。

ここは戦費を削るしかあるまい。プラハの核廃絶の演説09,4/6日)の後、ロシアとの軍縮の交渉があった。

米国は核削減で=2兆円ほどは浮いた。


オバマさんの演説に戻ってみよう。

重要なフレーズがある。それは、

「9000㌦必要だ。だが米国がイラク、

アフガニスタンで費やしてきた予算よりも少ない」

という箇所だ。

オバマさんは何を云わんとしてゐるのだらうか。

明確である。戦争や軍事では自国も救えないし、人類も幸福になれないということを伝えた。

米国はまだ世界のGDPの=3割弱を賄っているし、基軸通貨国の地位も確保している。

世界はまだ米国に多くのものを買ってもらわないと幸福にはなれないのだ。


日米同盟の重要性を云うならば、また対等の日米同盟を云々するならば、

自国の国益ばかりを、あるいは“正義”をあげつらうばかりではなく、

相手国の米国の国益、利益も考えて上げなければならない。

なぜならばワールドワイドに発想を俯瞰させれば、

米国を助けてあげることが日本の国益にもなり、

中国や世界中の幸せにも結びつくことなのだから。


アフガニスタンにはタリバン掃討からここ8年間

国際社会の復興支援はすでに=3兆円超を費やした。

2003年のイラク戦争から2001年、アフガニスタンの紛争も含めて

米国は=90兆円になんなんとする軍事予算を蕩尽した。

米国の軍事予算は年=約60兆円といわれている。


アフガニスタン2008年GDP為替レートで〓128億㌦(購買力平価で=230億㌦

一人当たり約〓800㌦(2008年、購買力平価)

人口〓2209万人→2815万人(2008年)

重要なことはすでに復興支援に費やされた=3兆円(約300億㌦)は、

アフガニスタンの購買力平価での1年の稼ぎを上回っているということだ。

腐敗、汚職、原理主義的宗教、部族勢力の残存、色々なことが空回りしている。

米英を中心に=10万人を超す外国軍兵士が各地で治安維持に当る。

死者数が急増し、厭戦気分が高まってきた。

「9.11事件」死亡者は2,886名/死者・行方不明者の総数は、公式発表で3044人(犯人グループ19人含む)

03年のイラク戦争開戦以降の米兵死者数は少なくとも4221人

アフガニスタンの外国人兵士の死者数=総数1376人(09,9/10日経)

すでにコストが間尺に合わない。

一度撤退してみて様子を見るべきだ。

同盟国ならば米国にそのことをしっかり伝えるべきだ。

とにかくイスラムはスンニ派もシーア派も欧米人も、西洋なるものが嫌いなのだ。

何が足りなくて、アフガニスタンの国民が何を望んでいるのかが浮き出てくる。

日本の明治維新もそうだが、自国の将来や幸福は、基本的に自分たちでなされなくてはならない。

いずれの勢力も国民の幸福を願ってのことなら、

その闘争は自国民の間でなされるべきで、

外国人の武器や支援でなすべき性質のものではない。

アレキサンダー大王がこの地を襲って以来、多くの民族が襲来しては去った。


■日本、サマワ駐留(07,9月TV)、2年間で=600億円

派遣自衛隊員2年間で600人1億円/一人

■インド洋海自派遣累計681回、48万㌔㍑〓200億円(06,10/28日経)

累計763回、約48万㌔㍑(?)〓約210億円(07,8/12日経)

しかし、いずれにしても合計で合計=800億円ということだ。


<テロ対策特措法>でインド洋沖給油03-04年

2年間で延べ派遣艦船数=59隻

延べ派遣人数=約1万2000人

給油活動で総額〓2000億円の費用が浮くとも

<イラク支援復興特措法>04,2月-06,7月

陸自所要経費=721億円

空自04,3月から継続中、06年末までで所要経費=133億円

※要するに費用対効果「コストパフォーマンス」のことである。

雇用を生んだのか、政府高官たちではなく、民間人が喜んでいるのか。


01年同時テロ~06年会計年度までに

米政府がアフガニスタンとイラクの軍事作戦や米軍基地の警備費などに投じた費用

合計=4300億㌦約49兆円(06,12/7日経)

※現在の要求額が認められれば今年度末までまでに総額が=6000億㌦を超え

現在の通貨価値に換算して=5360億㌦とされるベトナム戦争の戦費を上回る。


イラク・アフガン─米、対テロ戦費1450億㌦に。

08年度予算教書07,10-08,9月)=1450億㌦約17兆5000億円(07,2/3日経)


ロイター通信やAP通信によると、国防費の総額は=7160億㌦(07,2/3日経)


イラク・アフガン─米、対テロ戦費として約1900億㌦の予算を要求する方針を表明。

08会計年度(07,10-08,9月=1900億㌦約22兆円要求07,9/27(日経)


中国は建国60周年の盛大な軍事パレードを天安門広場で計画している。

そして、09,8/30日、沖縄近くの太平洋上では、

横須賀を母港とする空母ジョージ・ワシントンと米サンディエゴが拠点の空母ニミッツが、

中国を意識した巨大演習を実施していた。

中国は米国をお得意さんとし経常黒字が積みあがってその外準は=約2兆㌦

(FRB資産=約2兆㌦に膨らみ)、

中国の持つ米国債額は=約80兆円超となった。

どちらもどっちも持ちつ持たれつの間柄なのに国益、軍事とはかように非合理で、整合性がない。

顧客やおカネを貸してくれている人にどうして銃を向け合うのか意味不明である。

面子と古い亡霊のような国防思想と防衛産業と慣性の法則によって日々突き動かされているのだ。


09,7/27日に開幕した米・中戦略会議(G2)

米政府は財政赤字が2013年までに持続可能な水準に減らすと確約するとともに、

外需依存型の中国経済の構造改革を促した。

異例の手厚い布陣(ガイトナー、サマーズ、バーナンキほか)。米側は政権中枢ずらり、

中国側は代表団=150人規模(王岐山副首相)。

米国は中国を「脅威ではなく、パートナー」として位置づける。


民主とか人権とか人類の普遍的価値や資本主義や市場など、

米国と中国はまだ全く同じ価値観を共有してないことも事実だ。

そういった意味では日米同盟は空気のように違和感がないといえばその通りだが、

海洋における同盟関係なら米中お互いに譲歩できる部分が多いのではないか。


中国だって共産主義の国でありながら社会保障に関してはまだ後進国だ。

米国のオバマさんは「医療保険改革」の必要性を議会で改めて訴えた。

中国の防衛予算は公式では=8兆2000億円くらい。

米国のそれは=約60兆円とも云われている。

さて、冷戦は90年に終り、あれから随分時が過ぎた。

あらためて=60兆円の内訳を考えると

その半分=約30兆円対中国であることは明らかだ。

もはや対ロシアでもなければ、まさか対北朝鮮であるわけがない。

30兆円はオーバーだとしてもそれに近い予算が対中国を想定していることは明らかだろう。

ここにお互いの国の矛盾がある。

太平洋における盾と戈をお互いに引いたら、

さてどのくらいの両国の予算が浮いてくるのだろうか。

米国は中国に対して再三、世界に対する責任ある大国であるようにと促している。

世界に対する共同管理までほのめかす。


面子でも正義でもナショナリズムでも国家の人口を養ってはいけない。

正義ではパンを賄えない。

社会保障とは日々の安心、今日のパンのことでもある。

そこで、日米対等を云うのなら、米中はもとより6カ国協議やASEANにインド、オーストラリアなどの

国々を召集して、協働の海洋主権会議を真剣に米中に提案すべきである。

海洋主権が一つの機関に集約できれば、

沖縄の基地も含めて、米軍再編グァム移転問題とかも、もっと簡素にシンプルに還元して行くであろうし、

当然地位協定もその意味で見直され、思いやり予算などというものも不必要になる。

条約でもあらゆる交渉ごとでも商売でも、相手の気持ちに寄添って考え、進めるべきである。

子どもでもあるまいに自分たちの都合ばかり振り回して、

それで何とかなると考える幼児性にはリアリズムの欠如と果てし無い迷惑を感じるばかりだ。


米国の第7艦隊も含め、中ロの海軍、それに最近はインドまで海洋の軍備には熱心だが、

台風一つ、低気圧一つのコントロールも出来ない。

それどころか温暖化の気象、海洋の異常は明確にその持続性について人類に警告を発し続けている。


すべて海のことは共同管理にする

多くの国が条約の約束事に参加し関わることができれば、

あとは約束事さえ明確にすれば、海軍などに関しては本来は一国で(たとえば国連軍)だけで十分だ。

国連軍の軍事要綱に従うそれぞれの国の当番制、ないしは合同軍にすればいいのだ。

いまのようにそれぞれに軍拡を競い合う世界では、抑止抑止と言いながら、何しろカネがかかりすぎる。

強いて云へば、結局それが世界のどこかに不均衡を、

インフレをもたらしたりするのは歴史的事実でもある。

軍縮は最初ワシントン海軍軍縮条約1921,11/11~)で、世界は貿易量も増え、

つかの間といへ世界はいい方向へと向った。


海に関しては少なくとも原則として領土圏を持ち出さない。

つまり、例えば、竹島、尖閣諸島、南沙諸島、白樺ガス田などである。

海に関しては主権を一つにする方向で日中韓ロ米ASEAN台湾印豪での枠組み合意を目指す。

90年に成立した欧州通常戦力(CFE)条約に近いもの、

つまりCFEのインド洋、太平洋シナ海、日本海などに適用される海仕様版。

漁業や、資源に対しての共同管理、

EUが初期の段階で目指した<欧州石炭鉄鋼共同体>(ECSC)などを目標とする。

この地域の海に関する“ゴーイング・コンサーン”を理念として掲げる。

(Going Concern)とは、企業会計の言葉で「企業活動は永遠に続く」と仮定すること。

継続的、持続的精算。

陸(内陸・国家)に関しては安全保障における主権の移譲は

論理的、情緒的にも難しく現実的ではないが、

海洋に関しては少し視点を変えて、何が理想で公平で持続可能であるかを考えれば、

そのアクセスは自ずから容易に開けることかと思われる。


各国はおのおののGDP比で海洋の使用料が課金され、

基金は海洋の警察権の確保維持に供される。

各国の必要な港はその主権を移譲された主体に常時解放されるものとして、

主体の警察権は明らかに軍事軍隊の概念とは明確に分離されるものでなければならない。

これによって各国の海洋に対する軍事は解散、解消され、

面子が優先され、幻想の不安の上に成り立っていた軍事予算の大幅な削減が可能になり、

その余剰は正しく人類が普遍として求め続けている人権とか尊厳とか民主とか、

或いはただ単に内需にふりむけられてもいい、公平、効率へと向っていくことは想像に難くない。


宇宙空間を飛ぶ衛星とのネットワークシステム、

固有な組織、技術を含む高度精密なブラックボックス

それぞれを一気に開放、共通化していく作業はとてつもなく困難を伴うであろうことは自明である。

ただ人類が分裂ではなく、最終的にどうしたいのか、

どのような海洋がそれぞれのステークホルダーにとって理想なのかを考えた場合、

その選び取っていく道筋はそんなに多いとは思わない。

中国だっていずれそう遠くない将来に、

米国と同等のないしはそれ以上の高性能の軍事技術を確保することだって考えられる。

ならば、今もってすぐに世界最高の米軍のその技術を中国に買ってもらったって何の問題もない。

逆に人類の歴史的意味を考えたら、意味のない軍事競争の手間が省けるというものだ。

軍事という存在の根底を考えたら、そのような分野で競争することこそ不毛なことである。

競争は市場でこそ行われるから、その結果として人類みなの経済厚生がもたらされ

生活向上を通じて人々の暮らしが守られるのだから。


では、最重要な約束事とは何か。

シンプルに考えればそれは一国に偏らないシーレーンの確保ということであらう。

喫緊の問題として各国はエネルギー、食料確保など、自国の問題を最優先し、

それを国益と位置づけて外交戦略としてなりふり構わず振舞っている。

しかし、海上交通に関してはいまはもはや海上高速道路みたいなものだ。

料金さえ払えば基本的にはどの国のものでもどの国の船でも走れるとすればいい。

ただ、一般道も含めて、スーパーシェリフがいて、

積荷の監視、スピード、飲酒、海賊、交通違反などはないかを常に監視、監督する機関は必要となるが、

ただそれだけのことである。

漁業、海洋資源、EEZ、軍事的プレゼンスの問題は少しおいておいて、

少なくともシーレーンに関しては実現の可能性も高く一本化を図るべきであろう。

ソマリアの海賊問題などはとくにその延長線上にある。


日本海は中・ロでそこから北はロシアに任せる。

北方四島と漁業や資源については共同資源であり

共同管理に関して日ロでもう一度つめることとする。

基本的には歴史的推移も含めて北方四島は日本国に属するものとし、

ここがポイントであるが他の国の人たちにも開放する。

(わたくしはパレスチナ人とかロマ人とか世界にあふれている浮流民を想定)

徴税権、警察権、行政権、外交権などの自治は可能な限り認め、

この三者によって、豊かな海を奪い合い死滅減少させるのではなく、

お互いに管理調整して絶えず海本来の豊かさと豊穣へと導き出さなくてはならない。

北方四島にはとにかく新しい国を作るのだ。

新しい時代にふさわしい世界平和の試みにもなるやうな新国家を

イスラエルも含めて世界中がそのインフラなどにも責任を持って共同で推進する。


海はお魚さんは誰のものでもあるし、誰のものでもない。

お魚さんは自由で行ったり来たりしている。

人口は増えていくし、お魚さんはたんぱく質、貴重な人類の食料には間違いない。

ただ、分かっていることはみんなそれらは有限であるということだ。

事実をふまえて賢く省エネしていかなければならない。

海の上や海の中での覇権争いは石油ばかりか原子力でも人的にもエネルギーの損失だ。

太平洋あたりではもう米・中・ロ3国で分担管理してもらったらずいぶん予算が浮いてくることになろう。

浮いた予算は別な世界の平和のために有効に使えばいい。

竹島、尖閣諸島、南沙諸島、台湾問題、白樺油田・・・海に国境はない。みな共同管理に。


かくして=4700万人とも云う米国の無保険の人口が安心できるようになれば、

米国民の心性、あのお買い物上手がまた復活し、

ドミノ倒しのように世界経済はまた好循環に立ち直るかもしれない。