「銀座のカンカン娘」
「あの娘可愛いや カンカン娘
赤いブラウス サンダルはいて
誰を待つやら 銀座の街角
時計ながめて そわそわにやにや
これが銀座の カンカン娘・・・」
(歌 高峰秀子/作詩 佐伯孝夫/作曲 服部良一 1949年)
1953年、初就職「ミクラ」は既製服メーカー。
ヒット連発、女性誌「婦人画報」などメディアに大きく取り上げられるようになった。
次が銀座の「ひつじや」。私のつくった服は飛ぶように売れた。
当時、街角には高峰秀子さんや笠置シヅ子さんらの弾むような歌声が響いていた。
世の中にはまだ戦争の傷跡も残っていたが、人々は廃墟の中から逞しく立ち上がり、
新たな価値観やライフスタイルを見つけ出そうと躍起になっていた。
ファッションや娯楽が人々の渇きを癒すように浸透して行った。
(芦田淳09,8/12「私の履歴書」)
いよいよほんとうの意味で55年体制が終わる。
自民党の存在意義は二つあった。反共と資本主義。
吉田茂が対米連携・経済成長というし指針を確立し、
池田勇人、佐藤栄作ら吉田学校出身者がそれに沿って進んだ。
安全保障と経済が成功のカギだった。米国は自民党政権を積極的に支えてきた。
米中央情報局(CIA)は岸政権期に資金を提供していた。
日本に民主主義が定着し、米国と同じ価値観、市場経済も支持してきた。
キャッチアップを得意とし、右肩上がりの経済を達成した。
しかし、今日、繁栄した日本が針路を見失うという皮肉な状況に直面している。
芸術、ポップカルチャー、先端技術を別にすれば、豊かさと空虚が同居している。
(ジョン・ダワー・米マサチューセッツ工科大学教授09,8/13日経)
「反共」とは「中国封じ込め」のことであった。
キッシンジャーが日本の上を飛び越えて入った。
米国は中国と本格的に79年からお付き合いが始まる。
鄧小平が登場して、
「白いネコでも黒いネコでもネズミを捕ってくれるのがネコ」
92年の『南巡講和』が決定的になった。
中国は市場を選択したのだ。
1994,1月、クリントン政権の深い野望のもとに、儲からない日本に見限った米国は、
中国の元の大幅な為替安を認め、ペッグした。
かっての1㌦=360円の固定相場みたいなもんだ。
中国への資本輸出が始まり、労働集約、中国からの輸出が増大していく。
あの「中国封じ込め」は何だったのか。
結局世界を変えていくのは「軍事」ではなく「経済」(マネー)だったのだ。
雲南省からにじみ出る元(マネー)。
中国資本や企業は低コストと市場を求めて南下し、
今や、かっての経済は砂漠を越えてのシルクロードだったが、
現在は北緯23度に沿って西へ、西へと移動を開始した。
東西回廊は、ハノイからラオス、ゴールデン・トライアングル、タイをかすめ、
ミャンマーからバングラデシュまでだ。
03年にラオス政府は自由貿易区開発の権限を中国資本に委託した。
中国資本が開発する「黄金城特区」には展示会場やホテルが並ぶ。
ゴールデン・トライアングルのミャンマー側に入ったところにカジノ「ウィン&ウィン」がある。
入場料を払えば誰でも入れ、カジノだけで使える「1万バーツコイン」を何枚も抱えたタイ人女性が
ミャンマー人のディラーを相手にギャンブルに興じている。
07,1月にミャンマーとインドの国境が開くと、
ヒスイ(中国資本)は(ミャンマーのカレーミョ)から車で3時間、
インド最東部ミゾラム州へも運ばれ加工されるようになったという。
■「止められない、止まらない」のが『利』である。
今、インドシナ半島に「銀座カンカン娘」が流れていても可笑しくはなゐ。
日本の企業も手をこまねいているわけではない。
ユニチャームはアジア市場開拓で先行、
紙おむつではインドネシア、タイ、台湾の3カ国でシェア1位。
エースコックはベトナムでシェア=60%と1位。同国で稼ぐ利益が日本を抜く見込み。
中国を含む東南アジア16カ国のGDP=約9兆6000億㌦と、日本の=2倍に規模に拡大。
「アジアでトップ企業を目指す」、――
キリンホールディングスとサントリーホールディングスが経営統合を目指す。
ほかに資生堂やイオンも。シャープやNTTドコモも走り始めた。
■質では先行、現地化がカギ、という。
「口」が減ってきたのだ。
総務省が11日に発表した人口調査。
08年度の人口「自然減」(=出生数ひく-死亡数)、過去最大を記録。
(2000年→05年)で(約24万人だったのが→少し「マイナス」に)。
08年度は=4万5914人で、減少幅が過去最大を記録した。
アジアへ、アジアへと――
サッポロが明治・ポッカと提携。
ポッカに=2割出資。3社で商品相互供給。食品再編が加速。
ポッカの海外事業の売り上げは全体の=2割超占めており、
シンガポールなどで緑茶や野菜飲料で高いシェアを占めている。
サッポロは北米でビール事業の基盤があるが、アジア展開は遅れている。
明治も海外進出で遅れており、ポッカのネットワークを生かした市場開拓を探る。
総合化学首位の三菱ケミカルホールディングスが
合成繊維大手の三菱レイヨンを買収する方向になった。
三菱レイヨンは世界シェアが1位や2位の事業を持つ。
三菱ケミカルは資金力でそれらをより強く出来る可能性がある。
日本メーカーの活路は成長性の高い事業をどれだけ育てられるかにかかっている。
価格安定やコスト削減を狙った再編ではなく、
新たな収益源を獲得しようとするものである。
※コスト削減は民主党さんに近く、
成長性のある事業に+資金力(資本)をどのくらい回せるかは、やや自民党に近いといえるのか。
しかし、国はといえば、この度の巨額な財政出動で、
年初に=816兆円だったお国の借金が、
6月末で=860兆2557億円/1億2761万人=約674万円/一人
となってしまった。
おそらく=1000兆円くらいになるのも時間の問題だらう。
デフレである。
需給ギャップが=8%とあった。
約40兆円近くの“売れ残り”、モノ余りがあるということだ。
日本は「割高」の国になってしまった。
それは経済の成熟を意味するが、97,4月から日本の長期金利は=2%を上回ったことがない。
「割高」で「利回り=2%以下」・・・
誰も寄り付かないわけだ。
儲からない日本で“つぶし合い”が始まった。
他社の不幸が自社の増益になる。PB商品やPBビール、ユニクロなど。
しかし、それらはどう考えても哲学的でない。
売れ残っているのはモノばかりではない。
ヒトこそが売れ残っている。
6月の失業率は過去最悪に迫る=5.4%。
中でも若年層15-24歳が=8.7%、25-34歳が=6.6%と高い。
(離職率)若年層は就職から3年以内に高卒が=5割、大卒が=3割とされる。
非正規社員の増加=全体の3分の1を占める(34%)。
55歳以上の高齢者でも増えている。特に20代前半の層での比率が=5割近くに達している。
ヒトという「資産」が埃をかむっている。
GDP=投入量×時間×要素生産性
投入量=ヒト(人材)+資本や設備・技術
ところでヒトが失業状態であったり、不幸であったり、リテラシーが不足していたりすると、
つまり、付加価値が生み出されにくい、→GDPがダウンする。
税収は=GDP×約9%くらいか。
→税収減
→国民に対するサービス低下・・・
個人も、企業も、国家も、みなバランスシートを抱えている。
企業はすでに、ものすごい勢いで「左」の資産の入れ替えや、消却、
人、モノ、カネの流れを、優先順位を決めている。
アジアへ行ったり、企業再編をしたり死に物狂いだ。
個人はひたすら我慢のしどころ、将来不安にわずかながら貯蓄率が上がっているのは、
可処分所得を切り詰めながら「第三のビール」を飲んでいるといったところか。
さて、政府は一体どうなっているのか。
国家の「左」、資産の入れ替えはうまくいくのか。
行政とはあらゆる利害調整、優先順位であり、
政府のヒト・モノ・カネの流れをどう時代に合ったものに変えていくか、である。
そして、明らかに「55年体制」が終わったとして、民主党政権になったとしよう。
しかし、給料は天から降ってくる。板子一枚下の緊張感がない。
企業ではさらに成長しようと思えば上場して(go public)株主さんの視線にさらされる必要があるという。
この閣僚の皆さんに選挙という洗礼以外に真からガバナンスを扼するにはどうしたらいいのか。
漫画家の西原理恵子さんがお国のことにも当てはまるやうなことを云っている。
借金(=860兆円)と病気(失業、災害、最近の怪しい犯罪や薬物汚染)にダブルパンチで襲われたら、
人生(国家)が終わります。
私が貧困のループから抜け出せたのは働く信仰があったから。
毎日お店さえ開けていれば次の一手が打てるんです。
次も生まれてくるのは女の子がいい。仕事も恋人も子どもも総取り出来ますから。
男性は仕事くらいでしょ――。
(西原理恵子・漫画家09,8/12日経)
今の子どもたちはほんとうの“寒さ”を知らない。
自分の二本足で立たなければ、とも仰っていた。
⇒「第二自衛隊システム」でなんとか・・・。
すべてが喫緊の問題なのである。