景気と成長(為替と金利)、ポリシーミックス
さて世界のことは置いておいて、国内の景気に戻らなければならない。
角栄さんのころまでの人口ボーナスを利用できないとしたら──。
人口とは(雇用であり所得-税=可処分所得、社会保障、教育、医療、住宅やローン
また生命・財産、人権・尊厳に対する安全保障)などのことであり、
国家は行政を通じてそれを(人口)をコントロールしていかなければならない。
成長(GDP)は
①政府(財政出動による資本形成や民間需要喚起、あるいは単に政府支出)+
②外需(貿易であり設備投資、直接金融や間接金融などによる財務のコストと安全性「右」、
であり「左」の資産の入れ替えやチェックを通じて普段の付加価値の産出を目指す)+
③民間消費は全体の=60%以上を占め、雇用と消費がいかに重要であるかは云うまでもない+
④資本収支(お金は眠らない、また“寝ていても”稼いでくれる。
お金に働いてもらう。海外投資や旅行、サービス)+
⑤としてはぜひ「仕送り国家」を考えたい。
積極的に企業などによる出稼ぎである。
海外で付加価値を産出し、納税や雇用を満たした上で余剰を「本国投資」してもらうのだ。
とくに地政学的にも近いアジアはかくのごくである。
アジア16カ国/人口=32.2億人(49%=約世界の半分)、
名目GDP=14.7兆㌦(24%=約世界の4分の1)。
台頭するアジアの消費・巨大経済圏→日本の最重要マーケットに。
ちなみに――
EU27カ国/人口=4.9億人(7%)、名目GDP=17.9兆㌦(30%)。
北米(NAFTA)3カ国/人口=4.4億人(7%)、名目GDP=16.9兆㌦(28%)
人口ボーナスである。GDPもまだ非常に低い水準。
ということはものすごい成長の可能性が、「利回り」があるということだ。
ASEAN自身――
他地域への供給に依存した貿易構造から
需要・供給が内部で循環する内部での消費・内需構造へ転換する必要もある。
■2007年の「消費財」(最終財)の域内貿易額
EUは=8860億㌦で対米輸出は=1059億㌦、対アジアには=676億㌦。
一方アジアは域内貿易額は=2325億㌦で対米輸出は=2559億㌦、対EUには=2974億㌦。
■供給過剰→輸出圧力→経常黒字(貯蓄›自国内投資)=アジアの成長の可能性
■部品材「生産財」に関しても同様な傾向が見られるが、EU域内貿易よりもその傾向は顕著である。
日本の景気後退は「鉱工業生産指数」に大きく現れた
(軽微の方から順番に1980,2月~、2000,11月~、1973,11月~)
⇒第二次石油ショック
⇒ITバブル
⇒第一次石油ショック
そして今回の2007,10月~は過去の後退局面に比べて一番の大幅な低下を示している。
政府は新たな“飯のタネ”を探すか作り出さなければならない。
もはやハコモノや、道路ではないことは確かだ。
※維持費ばかりがこれからかさんで、新たな付加価値と所得が生まれない。
※ハコモノ、道路などは、戦前の“大鑑巨砲”にこだわり日本を泥沼に落とし込んだ轍と同じ。
とにかく「売り上げが上がるもの」をつくり出さなければならない。
※バブルのときに投機用マンション(ハコモノ)を購入した主婦などの悲惨な末路をみれば分かる。
「売り上げが上がるもの」に投資した人はまだキャッシュが入り、雇用も満たした。
麻生太郎首相は、女性や高齢者が働きやすい環境を整えることで
「10年で家庭の手取りを=100万円増やし、
一人当たりの国民所得を世界トップレベルに引き上げる」
との文言をマニフェストの盛り込んだ(09,8/2日経)。
しかし,単に投入量を増やしただけで景気が回復し、
成長、雇用、所得、消費の新たな循環が起き上がるほど経済は単純ではないのだ。
■景気回復には
①政策効果(金融、財政)
②交易条件の改善(原油安などまたは為替)
③海外経済の回復(外需)などが影響を及ぼす。
■下ブレは
①雇用悪化
②需給ギャップ拡大でデフレに
③米欧の回復の遅れ(BRICs並びにASEANは堅調)。
73年の為替変動性に移行してから、日本の円はみるみるドルに比べて買われていった。
むろん日本の実力があらゆる側面で海外投資家から評価されたからである。
79年、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”――。
85年の<プラザ合意>で日本の円高は決定的なものになった。
景気を良くして行くには、その時々の世界情勢や経済貿易情勢もあるが、
・インフレを少しずつ起こしながら(ドライブ)、
・財政規律と、
・低金利でかつ
・円高を作用させる。
それらのポリシーミックスが有効であることは70年代から90年のバブルはじけるころまでの
日本の眼をみはるほどの成長を見れば一目瞭然である。
低金利でインフレが進行していたら人々は借金をしてでも競って仕事をするようになる。
おカネがみるみる動き出すのである。
例えば前回述べたように中国では――
中国の金利政策は「適度に緩和的な水準」。
仮に中国で2ケタ近いインフレになれば預金金利(1年定期で=2.25%)は実質マイナスになり、
人々は資産防衛のために投資に走らざるを得ない。
中国では債券市場等まだ未整備、一部の不動産や株、商品に集中し、バブル(投機的)になりやすい。
貯蓄(資金)を社会資本整備や成長分野に誘導する仕組みも考えている。
ファンドやマイクロファイナンスや地域のNGOによるものやベンチャーキャピタルなど。
“実質マイナス金利”により、マネーを動かそうとしている感じだ。
かくのごとく人々は「利」によってこずき回され、
地球上の表面や表情を刻一刻変えて行くのも根底には利回りがある。
昨日あそこにあったお店がもうない、とか、あんなところに大きなビルヂングが建ったとか、
儲かったとか儲けたとか、儲からなかったとか損をしたとか
みんな我々は全員が利得、利回りの中にゐる。
就職して賃金が決まるのもこれらの中である。
10万円の人もいれば100万円の人もいて、そこにああそんなものかと世間が生まれる。
20万円の人も自分はこんなはずじゃなかったと世間の評価と自分の評価の差に悩む。
しっかり投入した時間と獲得した技術、自分の商品価値とての利回りの差を無意識に勘定している。
だから自分が安い、空しいと感じたりする人だっているわけだ。
だが、労働市場と云うものがあって、自分をさらに別な、
自分に最もふさわしいと思われる職場へといざなうことも出来る。
機会均等、再挑戦、民主主義が機能する。
しかし、不都合なことに景気にはサイクルがあって、
思ったところに自分の運命の船が航海していくとは必ずしも限らない。