09,6/26(金)湯沢地区晴れ

夕刻近く、湯沢に到着。

スーパーで買い物を済ませ例の場所に直行、車を降りて土手を登り、スカンポの叢の中へ。

ここには蕨がしょっちゅう生えてくるのだ。

名残の蕨をうろうろ摘んでいると、嫗が両手を後ろ手に通りかかった。

「なにか採れるかや」

「わらび」と手にしていたのをば様の方に差し上げてみせる。

ば様はくちをもごもごさせて、黙ってまた行き過ぎた。

薄暮がわっと押し寄せた。

ば様の背中は小さく夕暮れの中に消えていくやうだった。

スカンポや姥隠れゆく青さかな


09,6/27(土)湯沢地区晴れ

完璧な晴れだ。三椏神楽を超えて、苗場山の方まですっきりと晴れている。

けっこうな登山日和だ。

マッ直ぐに晴れて苗場も飛び越へぬ

眼下にはもう釣りに精を出しているゐる人が、

魚野川は朝日に反射して輝き、波音までがここまで聞えて気さうだ。

川音にさらはれゆきぬ釣師かな

すべて、朝飯前のことだった。

さて、これからけふは浅草岳登山に向う。


浅草岳登山は別項で――。


09,6/28(日)湯沢地区晴れのち少し梅雨曇に

昼近くにお弁当を持ってお山に向う。

スキー場から細い山道を下っていくと、ウツボ草がぽつんと、

いや、珍しいなと車を降りたら、その先々に群生していた。

紫色の花穂が、道端の両サイドを紫色に飾る。

ウツボ草靫に咲ゐて道の端に

武士が矢を入れた「靫」うつぼと云う道具、ゆぎとも云ふ。

岩原から奥添地に向おうとして狭い山道の脇に群生。見たこともなく感動。

春先にはここいらへんにはカタクリがさかんに咲いていた。

植生は入れ替わり立ち代り棲み分けてゐる。

不思議だなぁ。


奥添地に入るとそこはすっかり盆地の底になる。

舞子高原スキー場のちょうど裏側になるのだ。

スキー場の稜線が視界をぐるりと取り巻き、

わたしは後ろ手をして山の天辺に点在するリフト小屋を眺めやる。

山桑や指染めてまで梅雨の空

自然の山桑の木が茂っている。

桑の実は赤いのから熟して黒ずんだものまで鈴なりに葉の下になっていて、

枝の下に入り、妻がさかんに摘まんでいる。

周りを見回してもだあれもゐない。

鳥の声が聞えるばかりだ。

やがて妻の指は桑の実の色で、まっ青になった。


谷に降りて、谷川の土留めのための高い堰堤に出た。

ビールで谷の緑と山の稜線と、その上の白い雲に乾杯する。

持参したポットからカップヌードルにお湯を浸し、根曲がり筍やこしあぶらなどの山菜の緑を散らす。

クサメして山の谺を妻とゐて

「熊出没注意」の立看板もあった。

鶯がさかんに鳴く、谷が深いので、あるいは堰堤に反射してか、非常に声が響いて聞える。

鼻腔のおくがむずがゆくなり思わずくしゃみをする。

これもよく響くのだった。

やがて堰堤の下方の林の中から郭公の声も聞こえだす。

蝶は堰堤の下の方にまで、瑠璃色の翅をひらひらさせて――

堰堤や蝶どこまでも瑠璃色に


あれは何だ、ということになった。

杉か何かの木にさかんに巻きついて木の頂へと登っていく蔓がある。

その蔓の巻きつくほどに白い萼紫陽花のごとき花が沢山に咲いてゐるのだった。

他所の木を飾りて高しツルデマリ

部屋に戻り植物図鑑でようやく解明。

木に絡み攀じ登るやうに蔓の梢が、萼アジサイに似た白い花を咲かせる。

雨の上がりに一層の風情が、とあった。


日曜NHK俳壇選者・片山由美子

季題「茅の輪」「夏越」

ゲスト佐藤輝・舞台役者

草笛や白く暮ゆく月の山(佐藤輝)お芝居の人、

「リアルが大事なんではなくリアリティーが大事

パースペクティブも含めて「引く」「出す」など感性は、よい想像を大きく膨らませてくれる」

地吹雪の晴れて一村間近なり(佐藤輝)


黒髪を束ねて潜る茅の輪かな(山本良彦)

ひらひらと山へ幣飛ぶ夏越かな(東野了)

ふる里に戻りてくぐる茅の輪かな(石橋玲子)

大鳥居くぐり茅の輪をくぐりけり(小西寛信)

城山に大樟のあり青嵐(井内ミナヱ)

いま一度茅の輪くぐるは母のため(高橋ミナヱ)

朝からの雨となりたる夏越かな(鈴木滋三)

夕星ゆうづつを仰ぎてくぐる茅の輪かな(石川二一郎)


冬菊のまとふはおのがひかりのみ(水原秋桜子)

餘生なほなすことあらむ冬苺(水原秋桜子)


色鳥やLESSON 7 詩の章(辻田克己)色鳥は秋の鳥。


「夏越」でエクササイズをする。

おりから――

地方より自分が上と見苦しき夏越の祓い知事の乱あり

東国原宮崎県知事、橋下大阪府知事など。

前文部科学・伊吹大臣は「違う血が入ったら自民党は頓死する」

文部科学副大臣 松浪健四郎「顔洗って出直して来い」とか・・・。

自分たちを何様だと思ってゐるのだらう。

地方交付税の配分を中央とと地方=5:5(現行6:4)の見直し

国の直轄事業の見直し

国の地方の出先機関の廃止

⇒地方の仕事は極端に言えば「福祉」につきる。

人形ひとかたを夏越に祓へ知事の乱

存在の意味無き人は「ひとかた」にして川に流してお祓いをする。


夏越かないち番の梅雨ふくみ

季語が三つ重なった。


道路でも社会保障も郵貯もぼろぼろになし崩しかな

小泉改革は「増税なき財政再建」「金融立国」「郵政民営化」が骨太であった。


かたつむり梅雨を頭の中に置き

解散選挙。人事権と解散権は総理の専権事項とかや。事前に人事改選をするのか。

蝸牛管は頭の中にある。

じとじとと梅雨が続く。

解散選挙、夏の青空が待ち望まれる。