09,3/21(土)晴れ、金ぴかの日本全国晴れの様子

春日や光の矢柄表まで

空晴れ渡り峰も雪もすっきりとした朝だ。

三椏神楽も今朝はガスることも春の霞もなく、銀嶺をくまなく青空に聳えさせた。


みよちゃんの赤い鼻緒は田下駄かな

おんもに出たいと待ってます。

でも、一歩出るとそこは春の泥。長靴の裏にはこんもりと泥がくっ付いて


春泥や地に歌い初むここかしこ


蕗の薹春だ春だとさはぎ立て


わが妻のかはいさうだと一つ摘み


去年の捨てられてあり春の泥

藁束が田んぼに一山。雪の重みで呆けてしまってゐる。


菫咲くの若芽隣して

菫咲く団子と妻は云ひ


菫咲く般若心経唱へみむ


雪折れや我にも春の感受性

花粉症である。山近く、症状はますます過激に。

妻は折れた枝を持ち来て「ほらほら」と差し出す。若芽がいたるところに芽吹き始めている。

私にだって感受性はある。


雪折れの枝に咲き来る生命かな


あわてん坊雪折れ枝の芽吹きかな


カロティノイド浅黄に蕗の臺よろひ

カロティノイド浅黄衣に蕗の薹

ではなぜクロロフィル(葉緑素)ではなく浅黄色の色素を蕗は選んだのか。

葉緑素の感受性は青や赤の可視光に反応する。紫外線は赤や青より波長が短い。

雪もとけ残る春先は紫外線も強くあえてクロロフィルではなくカロティノイドを選んだ。

目だって成長するより、隠れて控えめに土の中から顔を出す。

食料の乏しい春先には目立たないようにし、苦味を蓄え、略奪されないように工夫を凝らした。

ああ、それなのに吾が妻は・・・。


09,3/22(日)曇り、ときどき薄曇

日曜日のNHK朝の俳壇(宮坂静生さん)季題「たんぽぽ」

たんぽぽや海近ければ低く咲く(中川蜩人)

たんぽぽや潮目の蒼き熊野灘(山本知久)

守備位置に立ちたんぽぽの絮わたしきり(松田吉憲)

ひとりゐにたんぽぽ束ね明かりとす(吉田加代)

蒲公英や遠くて近き少年期(米田文郎)

たんぽぽに母かと声をかけてみき(金田いつみ)

たんぽぽや夢の中まで手をつなぎ(寺田篤弘)

たんぽぽや噴煙靡く草千里(稲富昭)

たんぽぽが眠たい黄色着ているよ(小学校2年生)

たんぽぽのぽぽぽんぽんと我が余生(五十嵐祐子)

たんぽぽはつい言葉遊びをしてしまいます。「我が余生」がいいですね。


しだれつつこの世の花と咲きにけり(藤田湘子)

愛されずして沖遠く泳ぐなり(藤田湘子)

うすらひは深山へかへる花の如(藤田湘子)


たんぽぽや水車みずぐるまして幼き日

タンポポの茎を細く裂いて水に浸すとくるりと外側に曲がる。

茎の中に細い草の茎などを通して水流にかけるときれいにくるくる回り始める。

他愛なく、たわいもなくひと日が過ぎていく。


茂邸燃えて葉巻の煙かな

旧吉田茂邸総檜造り全焼。実況は小雨降る中を。


明太スパ飾りて蕗の薹あらむ

蕗の薹を三杯酢で。天ぷらにすると、三杯酢にすると蕗のアクが弱まるのは何故か。

昼食は妻の明太スパ。


ああ東京ピテカントロプス走り行く

東京マラソン制限時間7時間。最終ランナーは午後4時とかや。

カラフルにスタートした。しばし賑はいのお江戸でござる。

景気のよさそうな事がらはどんどんした方がよいことになる。


雪とけて越後小松菜歯にやさし

茎はこんもり太く、やはらかく、そして遠慮がちな甘みがほんのりと。


カンパチのカマほぐれゆく春日かな

妻と二人でこんなでっかいカンパチのカマをほうばる。大根おろしは私がいっぱい卸した。