09,3/20(金)新潟湯沢地区小雨

これはどうしたことか。

今年はほんたうに雪が無い。

岩原のゲレンデの一番下はもうブッシュが出ている。

石打のゲレンデも下部のほうは斑雪。

ゲレンデの人たちは連休だというに今期はほんに切ないなあ。

冬ざれて身にしむ風の寒さかな

さて、妻と目指すのは春一番の蕗の臺である。


呼びかけぬ「やあこんにちは」蕗の臺


地に淡くうてなとなりて蕗の臺


妻にしあれば軍手まゐらす若菜かな


摘みをれば小蓑もほしき若菜雨


蕗の臺たをりて稚児のやはらかき


百姓の廣野に病むで若菜かな


またおまへ群馬ナンバーしゃしゃり出て雨も降るのに蕗の臺摘む

群馬ナンバーはなぜか評判が悪い(?)

山菜の季節になると“芽のこし”もせずに、根こそぎ持っていってしまうという話だ。

むろん風評に過ぎないが、近頃は一般的に山菜マナーが悪いのも確か。

芽は次の人のために、また次の季節のために必ず残すものよ。

ああ、しかし、わが妻も今は野を行く山荒らし・・・(?)


雪解けて土手行く水の早さかな


蕗摘めばこれはこれはでのんの様

神様に差し上げねばならぬ。


帰ってきて遅い午睡。

寝て見てる本真っ逆さまに春の夢

いつしか妻は読んでいる本をぽとりと落としもういびきをかき始める。


新玉や夕べは牛の寝床なり

夕食には牛ロースをさっと炙って新玉のオニオンスライスの上に綺麗に飾った。


親切はことほど左様雪の村

湯沢の電気屋さんは心優しく丁寧。冷蔵庫が壊れたと、すぐに冬ざるゝ中をやって来てくれた。

結局は18年間の寿命。冷凍庫への霜取りファンが壊れた。

サア、まだ買うか買わないか解らないのに、冷蔵庫を拭いて下さるは、掃除機もかけてくれる。


サウナで――

「頭では分かっているんだけど、体がついていかない。目線が下なんだよな、怖いからなんだな」

スキーの話らしい。感覚と体と理解。

難しい永遠の問題だ。結局、空海と最澄の問題なんだ。


老人ホーム「たまゆら」渋川市、火事7人死亡。

有料老人ホームは届出が必要だが届け出はなかった。

全国で=370の無届の高齢者施設。

後の世のはかなきほどのこの世にてたまゆら寒き渋川の火事

静養ホーム「たまゆら」は法律に基づいた有料法人老人ホームではない。

施設に入所している人たちは東京から来た人たちで占められていた。

東京の自治体の紹介。東京に住民票を残したまま。

たとえば墨田区からの紹介者の場合、墨田区で生活保護を貰ったまま。

ものの芽のまだもの芽かぬうちに。

結局、このあとで3人が病院で死亡。合計=10人の犠牲者となった。


便々と有識者いく国の府に腑に落ちぬのはあなたばかりよ

有識者会議。景気、国の行く末を、アイデアを出し合う。百家争鳴のごとし。遅遅として進まず。

最近笑わないとこはい顔だし、笑うとどちらかというと不気味な顔だ。


アクアライン海の蛍のご褒美は1000円なりき子も喜びぬ

春の貝のご膳。本州・四国の橋もみな1000円に。平時より2倍以上に。

「平成の関所が夢の架け橋に」(徳島知事)。

アクアラインのマクドナルドは、普段の日曜日の=200%


マリア・ライヘ「ナスカの地上画」

「ナスカ、それは私の運命でした。私はそのために生まれてきたのです。」

Madre de pampas 「大平原の母」ライヘ

(ドイツ出身1903年生まれ、ナチス嫌いで1931年単身ペルーへ渡る)。

ナスカの絵文字を箒でもって掃く姿は魔女にようだと地元でも。

やがて彼女は絵文字と空に降る星座との関係の重要性を考察、

世界の関心はようやく彼女とナスカの地上絵の重大さに気付き注目するようになる。

しかしながらさても寒暖の差が激しい大平原のぼろ家に棲み、

孤高、鉄人、哲学者のように生きるように彼女を運命付けたものは何だったのだらう。

星が、地上絵が、彼女を遠いドイツからペルーの荒野の地へと誘ったのか。

晩年、パーキンソン氏病に侵されながら、それでも車椅子で地上絵に向き合う姿が残されている。

人間の偉大さと狂気、すでにして詩人である彼女を物語る静かな風景であった。

1998年、95歳で亡くなる。