■グローバル化と雇用・賃金
「最適地生産、最適地販売」購買・生産・販売の最適化の追及。
製造業の外国人従業員比率=3割、海外売り上げ比率=4割、また企業の海外販売のうち、
現地生産・現地販売や+第三国向け輸出の割合は(外―外モデル)=7割に上昇している。
<資本の輸出>は進出国に雇用機会の創出、技術水準の向上、
所得増加を通じた消費市場拡大などの効果をもたらす。
進出企業も成長の果実を享受でき、競争力の維持や向上が期待できる。
双方が「WIN―WIN」の関係を築けるだけに不可逆的な流れとなる。
▼国内の雇用者から見ると、技術水準が向上した海外雇用に代替されたり、
貿易を通じた賃金の平準化圧力で賃金が伸び悩んだり、負の効果が大きい。
(足立茂・日本総合研究所理事08,12/24日経)
⇒外交は最早「安全保障」ではなく「経済安保」だ。
⇒失業を吸収できるシステムを→「家族」「農林業」「介護」、日本国自身の貯蓄。
⇒人、モノ、カネを組み直すチャンス。
⇒企業は首切りができるが、国家は最終的に国民を首を切ることはできない。
■為替と雇用(ホンダ)
90円割れが続けば海外生産を増やした方が有利となり、
国内工場の労働力の問題に踏み込まざるを得なくなる。
逆に大きく円安に振れれば国内生産で対応し、海外拠点のコストを削減する。
(北條陽一取締役08,12/26日経)
■生産とコスト(ホンダ)
ホンダの世界生産能力は=420万台。生産能力の何割が稼動すれば黒字になるか。
その比率は300万台体制のときと変わっていない。
だが比率が不変でも分母の能力が増えた見合いで、
黒字に必要な販売台数が増えたのも事実だ。
・為替コスト
・いかに固定費を下げるか/新規投資の抜本的見直し、更新投資も抑制し、償却負担を減らす。
F1(フォーミュラ・ワン)撤退もかなりの固定費現につながる。
開発費も事実上「固定費化」していた。固定費を下げることで何としても黒字を確保したい。
・資本コスト/長めドル資金調達に影響が出ている。
米国の販売金融子会社は=約3兆5000億円の外部有利子負債がある。
このうち、1年超の長期資金は社債や資産担保証券(ABS)などで調達していたが、
金融危機でABSは今年の6月から、社債は9月から発行できていない。
このため短期のコマーシャルペーパー(CP)の増額と、
邦銀や米銀からの長期借り入れで対応してきた。金利も従来よりやや高めになった。
足元では米連邦準備理事会(FRB)がCPなどの引き受けに乗り出し
市場の機能は回復しつつある。ABSの発行再開も検討している。
日本でも、日銀や日本政策投資銀行による資金繰り支援の効果で
資本市場が安定に向かうことを期待する。
(北條陽一取締役08,12/26日経)
※少しは国家も見習ったほうがいいな。
経営という視点が国家には欠けている。
結局はコスト感覚だ。
■不景気とリスクテイク
将来のリスクとなる借金を背負うことに消極的になる。
⇒住宅ローン金利の低下/FRBがゼロ金利政策と住宅ローン証券購入
による量的緩和を導入し、住宅ローン金利は30年物で=5%代半ばをつけている
→一部のローン会社には借り換えの申し込みが殺到しているという。
■国債残高、国の借金
国債発行額=132兆2854億円
(新規国債=33兆2940億円+財投債=8兆円+借換え債=90兆9914億円)
⇒国債残高=581兆円(来年度末)
/国民一人当たりの「借金」=455万円
/利払い負担も増しており利子だけで1時間ごとに=11億円払っている計算に。
■1982年、オランダ「ワッセナー協定」
労働組合は景気後退なのに賃上げを求め、経営者は真っ先に雇用削減に動く――。
1982年、オランダ「ワッセナー協定」。
労組は賃金抑制を受け入れ、
経営者は雇用機会を増やし、
政府は財政支出を抑えて減税を実施する。
高失業率を克服し、企業の競争力をたかめるため、
政労使がそれぞれ痛みを分かち合う「誓い」をした。
これが基になり、正社員の短時間勤務を認める本格的なワークシェアリングが導入され、
経済は好転した。当時オランダは、失業率が=10%前後もあり、
他国から「オランダ病」と揶揄された不況の最中。
それが新雇用モデルの導入で企業の競争力は強まり、雇用も創出。
欧州の優等生になった。働く女性が増え、多様な働き方も浸透した。
⇒正社員の短時間勤務→雇用創出型
⇒一人当たりの労働時間を減らす/雇用維持型
■1993年、EU「労働時間指令」
欧州連合(EU)諸国では1993年、
所定外労働時間も含めて就業時間が週=48時間を超えないことを定めた
労働時間指令が適用され、
この指令の適用除外を選択した英国を除き、働きすぎの問題はほぼ存在しない。
(山口一男・シカゴ大学教授08,12/26日経)
■過剰就業と生産性と外部不経済
⇒米国で過剰就業者の割合が低いのは、残業が雇用者の希望に即しているからだが、
その理由は時給者にはわが国より手厚い超過勤務手当の制度があり、
この制度が適用されない管理職者や専門技術職者には業績に対する昇給・昇進
と言う成果へのインセンティブ(動機づけ)が制度として発達しているからだ。
⇒日本は「滅私奉公型」残業のあり方。
正規雇用と終身雇用の日本では正規雇用者と企業との間には
「保障と拘束の交換」がある。
すなわち企業は正社員の雇用を保証する代わりに、
その代償として長時間残業や頻繁な転勤を求めると言われてきた。
▼雇用環境が悪化する中で、潜在失業や不完全就業が増える中で
過剰就業が一部の雇用者に集中。就業時間のミスマッチ
(「もっと働きたい」「時間を短くしたい」)拡大という外部不経済を生み、
女性や非正規男性雇用者の人材活用を妨げている。
⇒「滅私奉公的賃金制度」の見直し。
(山口一男・シカゴ大学教授08,12/26日経)
■日本のバブルは
日本のバブルは、金融機関の貸借対照表をきれいにすれば問題は解決できた。
池尾和人・慶大教授08,12/26日経
■米国発サブプライム
▼投資業務のためにつくられた連結決算対象外会社「SIV」などは
「影の銀行システム」と呼ばれたが規制の網外。
▼金融機関のファンドマネジャーらの倫理的規律欠如。
人の資金で相場を張りながら利益を出したら大もうけする一方、
損失を出しても辞職する程度。
かつ、短期的な成果に報酬が連動する仕組みなど。レバレッジにたよった投資を招く。
▼格付け会社の存在と利益相反。
⇒証券化商品に値が付けられなくなり、市場機能が止まってしまった。
⇒市場がなくなってしまったら市場を(価格を)つくり出さなければならない。
再生機構などによる「買取」「受け皿」などにより「官製時価」が必要となる。
池尾和人・慶大教授08,12/26日経
■市場信奉者・ブッシュ大統領
「私は絶対的な市場信奉者であり続けた」
「政府の介入を受けず、自由に自立して生きることは
米国民の崇高な理念だ」
人々が政府に頼らず、自立して生きる「所有者社会」の実現――。
減税と規制緩和の経済運営。
「マイノリティーでも我が家が持てる社会を目指す」
持ち家政策の推進を打ち出したのは政権初期の2002,6月。
減税と超低金利に恩恵に浴し、
米国民の住宅所有率は→04年には過去最高の=7割り近くに達した。
⇒「所有者社会」の延長線上で個人勘定の創設による年金制度改革を主張。
「公的年金まで民営化するのか」との批判を浴び、
頓挫したころから世論の関心は「格差」に移っていた。