■公的資金と再生機構
<産業再生機構>で「貸し手」と「借り手」の一体再生に取り組んだ。
企業の信用リスクなどを、公的機関が厳格に分析し、
査定結果に基づいた価格で市場から買い取る。
公的機関による『官製時価』が明らかになれば、
実態に見合った市場の時価がつくようになる(→時価を割り出す役割)。
⇒公的資金注入には、
厳格な査定をする前に「時間稼ぎの意味」で投入する(98-99年にかけて)ものと、
資産査定後に「資本不足」を穴埋めするものがある(小泉政権下で、りそなグループに)。
■株主・ROE至上主義
米国の「ROE至上主義」(会社は株主のものという)はレバレッジを生んだ。
利益はそう簡単には増えないのだ。
その結果、資本をできるだけ小さくしてしまい、金融機関のリスクは膨らんでいった。
(冨山和彦・経営共創基盤CEO)
■株価―将来期待値の割引現在価値
例えば、投資家がある企業に95投資して、
将来、100のキャッシュの獲得を期待しているとしよう。
この場合、投資家は5%強のリターンを期待していることになる。
投資家の期待にこたえるため、
その企業は投資家の資本を用いて5%以上稼がなければならない。
企業にとって5%強は資本に対するコスト(資本コスト)といえる。
現代の価値創造経営において、資本コストは最も重要な概念の一つである。
◆DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法は逆である。
すなわち、将来に期待できる100のキャッシュは、今いくらの価値を持つだろうと考える。
現在の評価額が95である場合、投資家は将来の100を5%割り引いて評価していることになる。
この場合、5%は「割引率」といわれる。
将来の「不確実な」キャッシュフローを割り引くため、DCF法といわれる。
⇒期待された成果である100が実現できそうになければ、
投資家は評価額を95から引き下げるに違いない。
100を上回る成果が期待できるようになると、評価額は95より高くなる。
DCF法を用いた企業価値評価は、司法の場でも認められている。
(砂川伸幸・神戸大学教授08,12/10日経)
■通貨スワップ12/11日
日本政府、韓国に=2.8兆円融通。
スワップ協定の資金枠をいまの=130億㌦(約1兆2000億円)から
→=300億㌦(約2兆8000億円)規模に広げる方向で最終調整を。
ウォン安対策、通貨危機防止。中国も人民元供給拡大へ。
■「合理的期待仮設」
米経済学者ルーカス氏が唱えた「合理的期待仮設」によると、
消費者は将来増税が控えていると予想すれば今から消費を切り詰める
という。
■米国の過去の景気後退期間
1929年=43ヶ月、
73年と81年を始点とする景気後退は=16ヶ月、
90年と2001年にそれぞれ始まった後退は=8ヶ月。
ローンや証券化などが先導した今回の「金融景気」は・・・。
■「運用」ポートフォリオ
ハーバード大学も基本的には含み損なのだろう。
だが大学の資金運用では、
ヘッジファンドのように解約に備えて流動性を確保する必要に迫られたり、
決算期ごとに成果が求められたりするわけではない。
個人投資家も同様だ。
⇒しかし、国家も企業も個人も、激動、不確実な中でポートフォリオの見直し、
中身を組み替えることは絶えず必要だ。
ことに政治とはそういうものだ。
⇒今の日本のポートフォリオは ???!
(一直08,12/3日経)
■金融危機とグローバル・シェリフ
グローバル・シェリフが必要だ。
IMF、世銀に国際決済銀行(BIS)、経済協力開発機構(OECD)を加えた
国際機関の連携が欠かせない。(「無垢」08,12/2日経)
・格付け会社の登録制の導入や、
・ヘッジファンド規制、
・CDS(企業が倒産した際に損失肩代わりする)を
金融当局の監督対象に入れる。
■<金融安定化法>
<金融安定化法>は
(貯蓄金融機関の不良資産の受け皿になった)RTC(整理信託公社)の変形だ。
不良資産に手を加えた後に市場価格で売却することで、資産価格が見出される。
シティへの救済は「不良資産を銀行から分離し、処理する」。
米政府が今回のような策を1年前にとったなら、救済額ははるかに少なくて清んだはずだ。
不良資産の規模は市場の信任に左右される。
(ユージン・ルドウィック・元米通貨監督庁長官08,12/2日経)
■金融監督と「利益相反」
ポールソン財務長官による「監督体制の一本化」は
よい出発点となるものの、詰めるべき点は多い。
▼一つの欠点は、銀行監督を財務省の下に置く点だ。
監督当局は野球でいえば審判であり、独立性を必要とする。
一方、財務省の役割はコーチのようなものだ。
監督体制を財務省の傘下にすれば、コーチが監督に影響を及ぼしすぎるようになる。
(ユージン・ルドウィック・元米通貨監督庁長官08,12/2日経)
■内需・ソフト化・物流
内需には限界があり、経済のソフト化でますますモノが動かなくなる。
※「定常化社会」とは・・・。
(芦田昭充・商船三井社長08,12/2日経)
■97年―橋本政権・景気対策
マイナス成長への坂を転げ落ちた97年の冬。
橋本政権は=2兆円規模の所得・住民税減税を実施する一方、
<財政構造革改法>を優先し、
98年度予算は一般歳出(当初)で=1.3%減とむろん緊縮型で編成。
→結局98,4月には=16兆円規模の総合経済対策をまとめ補正予算案を提出した。
予算編成の初動の遅れは、景気後退を99年初まで長引かせる一因となった。
▼景気後退期の緊縮財政や増税はデフレ圧力を高め、税収がかえって減る。
■選挙と予算
古賀誠自民党選挙対策委員長の強い要請で
「妊婦検診無料化、子育て一時手当・・・」を追加経済対策に盛り込んだ。
⇒乗数効果、民間需要の呼び水になり得る公共投資、
⇒政策減税が経済構造改革に結びつくもの。