■価格形成
生産段階(生産者)―流通段階(ネットも含む)―消費者(選好行動)
多くは生産者が価格決定の重要な部分を握っているのは間違いないが、
商品の流通がいったん始まってしまうと価格変動の多くは流通段階で生まれている。
インフレ・デフレ(価格の上がり・下がり)、価格の変化は生産や雇用と連動する。
物価安定の積極的意味。
渡辺努・一橋大学教授08,11/28日経
■各国の景気対策
●EU景気対策=25兆円(=2000億ユーロ)
欧州委は各国に=約1700億ユーロの財政出動を求めた。
これと並んで欧州委はEU予算などから=約300億ユーロを拠出し、
横断的に失業補償や職業訓練、研究開発投資を進める計画。
●仏、英に続き付加価値税引き下げ
●EU、自動車支援=6300億円
●中国=1%超利下げ(11年ぶり)。
●オバマ次期政権「経済再生諮問会議」設置、議長は元FRB議長のボルカーさん(1979-87年)
■FRBバランスシートの悪化
翌新年までにFRBの資産が=3兆㌦(288兆円)に・・・。
米国内総生産(GDP)の=20%の額。
FRBの資産の「質」の劣化の懸念→資産価値目減り→ドルの信認低下必至。
◆ところで国のバランスシートの右側とは、国の将来の国民の担税能力の現在価値、
つまり信用で成り立っている。あるいは、通貨の基軸性で成り立っている。
▼1930年代、米国ではFRBが最後の貸し手として機能しなかったため、
大幅な信用収縮が起きた(白川方明日銀総裁)
⇒左側が機能しなかったということか。
⇒現在FRBは左側に様々なリスク資産を含む証券を買い入れている。
■景気(需要サイド)
⇒新興国では豊かさを求めて衣食住をまかなうため人々はこぞってモノを買う。
豊かさへの欲求を満たすには企業からモノやサービスを買う以外にない。
◆しかし、定常化社会の日本では欲しいものはほとんど手に入れ、
単に消費拡大によって内需を盛り上げるのは難しい。
しかし、人々がお金を使えば経済が活性化するわけであるから、
何も消費に限定することなく、お金に働いてもらえばいいことになる。→投資
⇒仮に1億2000万人あまりの国民全員に、一人当たりに年間=20万円を
所得に追加して消費に回すようになれば
→国内総生産の伸び率は年間=4%に。
08,11/27日経
■「私たちのお金の使い方が社会を決めていく」
「私たちのお金の使い方が社会を決めていく」
▼リーマン・ブラザーズのCEOはこの8年間に=350億円もの報酬を手にしていた。
米国流では経営者の努力を株主価値向上に集中させるため、
高額給与に加えストックオプションを付与する(インセンティブ文化)。
●古代ギリシャの哲学者プラトンは「指導者と市民の所得格差が=4倍を超えると、
その社会は内部崩壊する」と喝破。
■日本の金融危機
97,11三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券が相次いで破綻。
98、日本長期信用銀行と日本債権信用銀行が国有化された。
「大きくてつぶせない」とみられてきた上位20行の3つが破綻、
4大証券の一角が崩れたことで、海外の金融市場でも日本の金融機関の信用が低下、
ジャパンプレミアムが発生した。
政府は98,3、<金融機能安定化法>に基づき、21行に総額=1兆8000億円の資本注入を行った。
翌99,3、<早期健全化法>に基づき、主要15行に総額=約7兆5000億円の資本を注入。
2001年以後は直接償却の促進、大手行の特別検査、
⇒<金融再生プログラム>(資産査定厳格化)などを積極的に推し進め、
03、りそなホールディングスの資本注入申請で、
10年以上にわたる日本の金融危機はし実情収束した。
⇒98年次は、財務状況が露見するのを嫌がり金融機関は注入に積極的にならなかった。
99年次になると金融機関の方から積極的に注入の申請が。
自己の資本増強をアッピールするためであった。
99年次は資本注入が98年次の=4倍だったことに加え、銀行の財務状況に応じて差をつけた。
資本注入で財務状況の脆弱性が露見するため、大きな経営責任を伴うと、
銀行は消極的になり、対策が後手に回った。
だが半ば強制的で横並びの資本注入では効果は期待しにくい。
一方で経営責任が小さいと、安易に資本注入がおこなわれ、
経営規律が働かず、モラルハザード、納税者の理解も得られにくい。
政策発動の前提として、不良資産を徹底開示させ、資産査定の厳格化と、
当局の強い監視下に置くことが必要となる。
⇒2008 <金融機能強化法改正案>が審議されつつある。
・資産買取
・流動性供給
・預金保護限度額の引き上げ
・銀行合併の促進
・資本注入
・銀行間取引の政府保証など。
(清水谷諭・世界平和研究所主任研究員08,11/27日経)