08,11/17(月)午前中は晴れ、午後よりうす曇り


萩よりフグ

フグ     秋深し横輪マグロの二、三本萩より届く妻は喜ぶ

妻は食い物には正直だ。マグロだけじゃない、フグも届いた。

ショウサイフグ、もちろん無毒。しかし、この白子の旨いこと。

極上である。アン肝よりも上とみた !!

「横に輪があるのでヨコワマグロと呼ばれ、

良質なもので脂がのりお刺身の美味しい赤身の代表です。

特に対馬海流物(長崎)、玄界灘物(福岡)、山陰沖(山口)物は全国的に人気があり、

天然本マグロ(クロマグロ)の子供になります」。

萩のM氏より送られてくる。

手紙ではその友人W氏の朝市、夜市とは??


秋の果   秋の果や二人の会話長かりき

この場合は食後、娘と妻の会話である。昼食後洋梨。
洋梨


G20 太郎ちゃんの大風呂敷はまたかいな10兆円は日本だけなら

G20金融サミット閉幕。日本はIMFに=10兆円提供の約束。


はねる   新聞の哀しきを舞ふ5㌔かな挽き摺られゆく富田林を

ドンッ富田林を少年がまた車にはねられ、引き摺られた。

16歳の新聞配達の少年はバイクごとはねられ曳き摺られた。

大阪府富田林。また酒気帯び、また酒気帯び前科。

ささやかな希望、喜び、友達との約束も果たせないまま、いきなり肉の塊になってしまった。

日本の溶解、他の存在を忖度そんたくできない貧困な感覚、幼児性、

富田林はいま日本の“とんだこと”なのだ。


オリーブ  凡夫よくオリーブを喰ふ南風

小豆島は海に面し傾斜して水はけがよい。

1908年からオリーブつくりは始まった。

そのままではの渋みを苛性ソーダによって抜く。塩漬けされる。

オリーブオイルで揚げたオリーブの天ぷらがことのほか美味しそうだった。

ミッションという種類。

苛性ソーダ、という不思議


山茶花   山茶花へ巡りし路や子らの声

女子医大へ行く。久しぶりの路地裏を歩く。


穴ツバメ  ボルネオのある山の奥穴ツバメ身をけずりつつ巣造りをせり

巨大洞窟はなぜ出来上がったか。オラウータンも棲むその山系は石灰岩でできている。

さんご礁褶曲して山となった。さて、南洋のジャングルには微生物が多量に棲んでゐる。

微生物はモノを溶かし水を酸性にする。酸性化した大量の水が石灰岩を溶かし、

天上高百数十㍍の巨大な洞窟を作りだした。

穴ツバメは自らの唾液で巣造りをする。

生物はどの親もすごいね、文字通り身をけずってである。

その巣が例の高級中華の材料となる。収穫するときも命がけ。

一個、一万円もするわけだ。

子育てのころ、穴ツバメの集団は一斉に洞窟を飛び出て行って、

蒼穹の虫の狩人となる。


夏目漱石

鹿     厠より鹿と覚しや鼻の息

明治40年、朝日新聞に入社して後、関西に旅行し「鹿十五句」を同紙に発表した中の一句。

森鴎外

鹿     酔ひしれて羽織かづきて匍ひよりて鹿に衝かれて果てにけるはや

大正10年帝室博物館長であった鴎外は正倉院曝涼に立ち会うため奈良に行く。

その折に詠んだ「奈良五十首」の一首。

当時酔っ払いが鹿にちょっかいを出し、衝かれて死んだ事件があったらしい。

原敬暗殺事件の直後で、重ねて読めば意味深長な歌である。

小池光・歌人08,11/16日経


秋時雨  二人居て独りと独り秋時雨(藤島光一)

麒麟草  もう歩きたくなし秋の麒麟草(松本好勝)

雲の峰  雲の峰大和国原囲み立つ(菊池美代子)