08,10/26(日)曇り


やはらかに秋は来たりぬ眼の奥に涙しくしくパキラは育つ


「檻から一歩出る。人間は簡単に自然の食物連鎖に取り込まれる」


フグは毒をどう作る ?


テトロドトキシンー致死量は人の場合わずか=1-2㍉㌘=青酸カリの約1000倍に達し、

自然界の毒のなかで最強の部類に属する。

 

1909年、薬学者・田原良純博士がテトロドトキシンを分離、命名した。


海中にはフグ以外にもテトロドトキシンやサキシトキシンを持つ生物がいる。

藻類や小型の巻貝を食べるヒラムシ、ヒトデなどで、フグはこれらを食べて成長する。

こうした生物を食べられないようにして人口の餌を与えたフグには毒がない。

フグは食物連鎖を通じて毒を獲得しているようだ。


どの生物がどのように毒を合成しているのか。

貝やヒトデなどの体内に共生している最近が合成に関わっているとの説も有力。


フグは自分の毒になぜ平気でいられるのか。

フグ毒は、神経細胞や骨格筋細胞の表面にある「ナトリウムイオン・チャネル」

というタンパク質と強く結び付き、細胞間の信号のやり取りを妨害する。

人はその結果、呼吸困難に陥り、最悪の場合は死亡する。

フグのナトリウムイオン・チャネルは人間のタイプと形が違い、毒が付かない。

毒をもつ小動物を食べるほかの生物にも、同様の耐性の仕組みを備えた例が

見つかっており、なぜ共通しているのかも関心の的になっている。


そもそもフグはどうして毒をもつようになったのか。

・餌を採るため、

・外敵から守るため、

・異性を引きつけるフェロモンにしている

などの仮説があり、目的はなかったという意見も。

決着を付ける解答はまだない。

(永田好生・編集委員08,120/26日経)


食物連鎖のピラミッドの頂上にゐる人間には毒がないのか。

なにしろ何でも手当たり次第に食べてきた人類だ。

多くの人たちが命を落してきた。

英雄的人間には毒がなかったのか。

神々や、貨幣や、イデオロギーを作り出してきた人間の毒とはなんだらう。

それにしょっちゅう戦争もやりたがってゐる。

いま目の前に広がる広大な消費社会も、仮想空間ネットも、ブログも、

あるいはみんな毒なのかもしれない。

いまや人間は自分たちが作り出した毒を日ごとに食べ、

そしてすくすくと育ってゐる。