《外為コサックダンスレポート》

2008年10月6日

(某ディーラーの独り言)

先週金曜日は月一回のビッグ・イベントである米雇用統計と下院での金融安定化法案の審議が重なるという、気が一瞬でも全く抜けない状況の中、私用で外出することになってしまった。昼の分析で《一度下押して(円高)から上(ドル高)に向かう》という判断でパソコンにレートを打ち込み外出。→下押しレートは1銭違いでヒットせず、残念!ちなみに下押しレート104.50円。多分、通常スプレッド(2銭)若しくは他業者ではヒットしているかもしれないという微妙なディーリング。スプレッドが2銭から5銭に広がっていたのだろうね。

4日未明に米金融安定化法案が米下院で通過したが以前にも記したがこれは単なる『束の間の安らぎ』に過ぎないことを肝に銘じておいた方がいい。何度も言っているが米金融機関破綻騒ぎはもっともっと根の深い深刻な問題なのだ。→米大手金融機関はレベル3という不良債権を大量に保有している。

レベル1は価格が市場で確定できる資産、レベル2は独自計算式の推定価格と確定した価格が混在している資産、レベル3は独自の計算式を使って推定している資産、そしてこのレベル3の資産が多いほど、その金融機関の資産評価は信用できないとみなされる。多くのサブプライム債権はレベル3にある→ここでの重要な問題はこのレベル3の不良債権をその金融機関の資産評価算定を使っては駄目で厳密な一定の評価ルールを策定することが重要だと思う。不良資産の評価をその不良資産を持っている人が評価するなんていうのは《泥棒が自分で自分の裁判に判決を下すようなもの》だ。

今回の米金融機関破綻騒ぎの証券化=商品、すなわち証券化により色々な資産を合成してリスクと分けて商品として販売するということなんだが、買わされるほうは実は、闇鍋を突っつくようなもので中身に何が入っているか分かってなかったというのが実態だ。→その中にサブプライムローン担保証券も入っていたということ。そんなもの売る方も売る方だけども買う方も買う方だね。それも大金融機関がだ(邦銀も含めて)!それにしても、そんないい加減な商品に《お墨付き》を与えていた《格付け会社》の責任者が責任を取ったというような話聞いていないよな~。

投資判断は自己責任で!!


Uとのへ

衣被  衣被食べるのが下手「めぐみの日」
拉致被害者めぐみさんのお誕生日会。
44歳とかや。

あれも、これも“人災”なんだ。
サブプライムは人災だ。
日本も「日米安保」とばかり云ってるけれど、
いろいろな意味でアメリカ型は見直すときがきてゐるね。

智證