田中宇の国際ニュース解説 2008年9月20日

■アメリカの金融(信用)の崩壊

AIGは、債券に対する保険であるCDSの発行を多く引き受けてきたが、債券市場の悪化とともにCDSの保険金支払いが増えて業績が悪化し、企業格付けを引き下げられたをきっかけに破綻した。

AAA最優良企業の債券が信頼されず(社債が売られ)短期米国債へみな流れた。→1ヶ月物米国債の利回りはほとんどゼロの0・03%になった。AAAの最優良企業の債券が信頼されないということは、その信用が全崩壊したことを意味する。この状態になったのは、大恐慌時の1934年以来だった。金価格も上昇した。

■CDSプレミアム―9月17日には、米国債に対するリスクを示す指標が悪化した。債券のリスクはCDS(債券破綻保険)の価格(リスク・プレミアム。上乗せ利率)で示されるが、10年もの米国債のCDSは30ベーシスポイントにはね上がり、13ベーシスのドイツ国債、20ベーシスのフランス国債よりも高くなった。米国債は、ドイツ国債の2倍以上のリスクがあるとみなされるようになった。

■米国赤字過去最高に

イラクやアフガンの戦費メディケア失業保険補填など社会保障費の増加によって、米政府の財政は、すでに史上最悪の赤字状態だ。昨年度1600億ドルだった財政赤字は今年度、2倍以上の4000億ドルとなり、今年10月からの来年度には5300億ドルの史上最高額が予定されている。そこに、金融機関に対する救済費用が上乗せされていくと、財政赤字はさらにふくらむ。

イラクもアフガンも、米軍の戦争は敗北がしだいに確定的になっている。それでも米議会は9月17日、ホワイトハウスが要求した来年度防衛費を満額回答し、さらに12億ドルを上乗せした6125億ドルの防衛費を可決した。

英米のアングロサクソン流のやり方は全部インチキということになる。