今回はスクショを使いますので、削除されるかもしれません。
何故ここまでするかというと、今日紹介する漫画は有名な作者のミステリー物なのですが、その深い意味がほとんど理解されていないことが残念でなりませんので、徹底解説したいと思ったからです。
もちろん、ストーリーには触れません。伝えたいのはこの漫画の背景にあるオカルト的な思想、ファンタジーな部分です。
それでは参ります。例によって断言口調で。
蜜の島 小池ノクト著
物語の舞台は、戦後間もない日本。戦友の遺児、蜜を故郷の島へ連れて帰す約束をした南雲が準主役である。主役はその島を調査するために派遣された内務省の腕利き捜査官、瀬里沢。
ところが、南雲は行きすがら目的の島は普通の島では無いことを知る。とはいえ、詳細に関心のない南雲は瀬里沢に同行することになる。
まずは、ここでオカルト的に興味深い設定が説明される。
昔から日本には幻の島の伝説が各種あるが、今回の島が日本人が知らず、米国の調査によって判明したところが面白い。現に第二次世界大戦後期に米軍のパイロットが日本近海の洋上でピラミッドのような島を発見したという報告が存在した。その島は形状的に南硫黄島のようだが、古来日本には秘密にされた島がいくつか存在するのかもしれない。この物語ではこの島を日本最古の島、オノゴロ島に比定している。
この古来より隠された島の住民の設定がまた意味深い。今回私がブログ記事を再び書き始めたきっかけともなった「神々の沈黙」に語られる世界が再現されているからだ。
詳しくは以前の記事「古代文明を築いた人類の精神構造とは?」
を参照されたい。
神々の沈黙 ジュリアンジェインズ著
この本の大まかな概念は古代の人類には個人の意思というものが存在せず、神の声を普段から聴くことができたという話。時代が下るに従い、神の声が聞こえなくなり、現代の文明となっていった経緯が述べられている。
さて漫画では島民の死に関する観念、心に対する観念などが全く異質のものとされ、古代文明の人類の生活を表している。
家族と生活を共にするミイラ
年齢の観念のない古老
神々と暮らしていた初期人類の形態を表現している。
この島では上古代より隔絶された世界が連綿と続いていた。
そして、物語は島に戻った蜜の運命とともにストーリーが展開していく。
伝説の島、オノゴロ島、縄文時代初期から続く宗教体系、瀬里沢が判定する不老不死の概念、神の声、死者の声、そしてその限界までストーリーの中で一コマ一コマで語らている。この漫画のセリフは意味深い。
私はこの漫画、続編が可能な展開だと考える。その時はもっと思い切った設定にしてほしい。神々の楽園、エデンを表現できる漫画だと思う。何千年も隔絶された遺伝子。今も聞こえる神々の声。不老不死。巨石文明。未だ解き明かされない秘密の伝説。などなど。可能性満点である。