気持ちよく走り出した私は、足も良く動いた。

かなり渋滞だけど、抜かしていけない事もない。

前半の下りで、少し稼いでおこうと思った私は、

結構飛ばしていた。

「ペースをなるべく守ろう」

と気をつけていたものの、ちょっとノッちゃった感じ。

なかなか良いように感じるけど、果たして今何キロか?携帯を腕に装備したけど、太陽の光が邪魔をして、時間がよく見えない。いつも走る場所は、景色で、何キロ地点か、すぐ分かるから、初場面での誤算は、こういうところだろう。

前半「下り坂」という事だったが、たいした下りでもなかった。それなのに私ったら、どんどん走っていってしまい、折り返す手前でなんだかペースが落ちてきた。

それに日差しがすごい。何も遮るものがない。

4キロ時点ぐらいではいつも、歩くなんていう雰囲気などないのに、足が、止まってきた。

給水ポイント(4、5キロ)でついに、完全に止まる。まわりも給水地点で、一度歩くようだったから、それにつられて歩いてしまった。

一度歩くと、その後すぐ復活しないと、どんどん走れなくなる。後半から度々入る「上り坂」も邪魔をして、また歩いてしまう。

ダメだ、こりゃ。

完全にペースが狂ってしまった。給水地点で確認出来た時間で気付いたが、かなりハイペースの走りだったから、それも失敗の要因であった。

途中、ゴジラやら、フラダンスチームやら色々手を振ってくれたのに、何にも応えられず。応援の一般の方も結構いて、「頑張れ」と声援を送ってくれるけど、歩いている者などに、応援も何もなかろう。

伴走者がいる、視覚障害の方やら、義足の方もいらっしゃった。

そういう方を見ては、

「ようし!」

と奮起するも、歩き出す人があまりにも多いため、すっかり、闘志がなくなった。

こりゃ、メンタルの問題だな。

まわりのせいなどにして、全然ダメだ。

こういう時、再度復活する呪文でも見つけておかないと、楽しみにしていた場面でもったいない。

ベホマなんて言わない…ホイミで良いんです。

ドラクエのこと考えてたら、少し距離が進んでいる。考え事してたら、いつの間に…という場面は、練習時にもあった。

そうか…これだったか。考え事作戦。

景色は公園内に入り、木々で日差しが遮られ、とても気持ちが良い。くねくねした道や、アップダウンにも、すっかりスピードを落とされ、まるで散歩のようである。9キロ地点を超えると、一気に下り坂になり、今日イチのスピードが出た。ゴールまで惰性で走る。トボトボ…とまでは行かないけど、元気ないぞー!という感じ。

1時間27分というタイムでした。

逆によくこんなタイムで着地出来たな、あんなに歩いたのに、と思う。

不甲斐なくて「やっちゃった!」という気持ちだったけど、とても楽しい大会だった。

応援の方々や、ボランティアの方など、お疲れ様でした!なんの支障もなく、終われました。

ちょうど一年前の私は、歩かず走れるようになった距離が、やっと一キロという状態。雪の降りしきる中走り続け、春のマラソンで、5キロ完走。そして今回の10キロ。

是非、ご経験のない方も、始めて欲しいです。

ただ靴を履いて外に出るだけです。

そこにある「何か」が、きっと惹きつけてくれるでしょう。


参加賞のTシャツを手に持ち、撮影。