前に述べた、ソダシの活躍。
白毛な上に牝馬、とあっては応援しないといけない。
これと重なる時期に、もぅ一頭の怪物がいた。その名は「アーモンドアイ」。
なんで綺麗な名前なんだろう。そして、その馬体もなんとも美しい。
「アーモンドアイ」なんて、美女の必須条件ではないか。
その名にふさわしい、強くて美しい最強馬。
桜花賞の時は、2番人気だったアーモンドアイ。その時の一番人気のラッキーライラックが話題を占領していて、信頼度の真価を問われたレースだった。
「親がロードカナロアだからねー」
誰もが知っている、スブリントのキング。その血統が色濃く出ていたら、距離適性に不安が残る。しかし結果はーーー優勝!どこが不安だって⁉
「親がロードカナロアだからねー」
続くオークスのときも、同じ事言っていた。
スプリントの血統で、2400メートルというのはどうなんだろう?
結果はーーーもっと凄い圧勝で、私はひっくり返った。
出走レースがほぼG1レースなのに、ほぼ一番人気。
人間の世界も「勝ち続ける」プレッシャーは相当なものだし、馬自体もきっと「レースをしている」という感覚はあって、プレッシャーもあると思う。鞍上のルメールもまた然りで「楽勝」とはならないはず。
私は強いものが大好きだ。
巨人、大鵬、卵焼きではないけれど、どんなに非難を浴びようと、現在においては「非国民」と言われようと、日ハムではなく、ずっと巨人ファンだし、大鵬の世代ではないから、千代の富士ファンだったし、とにかくベタでもなんでも、強いものが好きなのだ。
「面白くない」
夫はいつもそう言って私の馬券の買い方に物申す。
面白いも面白くないも、馬券を当てるんぢゃ!
しかし、2020年のジャパンカップの時だけは、そうもいかなかった。
今までに例のない、3冠馬の三つ巴というレースになったのだ。後にも先にもこんなレースなどきっとない。
3冠なんて、そんなに簡単に取れるもんじゃない。一冠でもすごいんだってば!競馬をやらない人でも知っている「ディープインパクト」もそうなんですよ、といえば「すごい!」事が分かるはず。とうとう珍しく夫も「アーモンドアイ」から買う事になった。
この馬を頭に三連単にしたかったが、コントレイルと、デアリングタクトが甲乙付け難く、手堅い3連複にすることにした。
競馬を長く続けていると、「必ず勝つ」と分かるレースがあるのだ。それは長年やり続けてきたレース勘であり、出走するレースをずっと追いかけて馬を熟知した時の確信だ。
レース結果はアーモンドアイが力の差を見せつけた。
強いものは強いのだ。アーモンドアイは、「ジャイアンツ」であり、「千代の富士」なのだ。
ズルしてでも勝負には勝ちたい。
子供の頃、妹と人生ゲームで遊んだ時、いつもお金を誤魔化し、ルーレットもズルをしたことを何故か思い出した私であった。