今日は午前中が歯医者、とのことで、いつも午前中にお手合わせする、あいちゃんとのパークゴルフは、午後からになった。
午前からの予定の後にもかかわらず、元気だ。
それはいつものことなんだけど、今年はご主人が亡くなってしまったから、その後の生活がすごく心配だった。気になって、電話しようにも、あいちゃんの耳は酷く遠くなってしまっている。他はすごく健康なのに、唯一耳だけが悪い。
今日のパークゴルフの約束も、電話で話してるとき、しばらく私のことを姪御さんだと思っていたくらい。
「な~んだ、あきちゃんだったの」
途端にあいちゃんは大笑いした。
「電話の声がいつもと違うんたもの」
大抵電話のトーンというのは、誰でもいつもより高くなる。私は「電話では良い人」と定評があるので、確かに間違うかもしれない。
しばらく二人で笑っていたけど、「じゃあ、明日は12時ね!」と約束して電話を切った。
あいちゃんはテニスだけでなく、パークゴルフでも優勝の経験がある。
しかし、私達夫婦と行くと、いつものベストがあんまり出てこない。装備も適当、グローブもしていない、素手でプレイするいい加減な夫婦につられて、フォームもペースも乱されたのだろう。
調子を狂わされているのに、あいちゃんはいつも誉めてくれる。
私は今日なんかパー32に対し、40も叩いてしまう有様だったのに、「うまいうまい!」と絶賛してくる。「顔も良いし、性格もいいし、プレイも最高!」
……うーーーむ。その人は、私ではない。あいちゃんの優しいフィルターから見える、存在しない人だ。
「えーと、旦那さんは…」
夫の容姿にきっと上手い言葉が見つからなかったのだろう。あいちゃんは嘘は付けない性格だから、夫がトム・クルーズと同じ年だからといって、「トム・クルーズに似てる」とは言えなかった。それでも頭の中で探したあいちゃん。
「川原崎長一郎さんに似てるわ!」
…どなた?
帰ってググってみた。
うーーーむ。目が、似てるか…?でも…どうでしょう?
長一郎さんが、あいちゃんの精一杯だったのである。
見よ!この96歳の柔らかさ!
そして…53歳はどうした…😭