9月2日木曜日 9日目。

朝、携帯が鳴り、飛び起きた。

自分も寝不足だったので、深い眠りだったようだ。

電話の相手は保健所からで、夫の状態についての説明だと思ったら、自分の事だった。

「PCR検査の結果ですが」

あ、そうだった。私も検査受けたんだっけ。ハイハイ、陽性ですよね。

「陰性でした」

「ええええええええ!」

本当にビックリして、ベッドから転げ落ちた。

「明日からなんですけど…」

飛んでった携帯から、声が聞こえる。

四つん這いで、ハイハイしながら、携帯を探し、返事した。

「ハイ、分かりました」

明日の朝から、決まった時間に体温や、身体の症状を報告せよ、ということだった。

今日は陰性ということだったけど、まだ潜伏期間が長いのがこのときのコロナ。

あんなに大量に、ウイルス吸い込んで、陰性ってことあるのだろうか。

昨日の救急隊員の方々や、病院のスタッフさんの防護服の苦労は何なのだと思ってしまう。マスクはしていたけど、感染していないと納得出来ない!とまで思い、もう既に冷静さのかけらもない。

夫は、感染後、第2待機ステーションというところに運ばれて、そこからT病院へ移された。点滴治療してもらい、少し眠れる事が出来て、私は安心した。

何よりも夫が一番安心しているだろう。

私は静まり返った部屋の中に、一人でいた。

「にゃ~」

おっと!お前達、そういえばどこにいたんだ?餌をあげるのを忘れることはなかったけど、二匹はこの間、ずっと鳴りを潜めていた。

テレビの前に座るだけの私の前に、寄り添うようにして、二匹がくっついてきた

。入院した夫が、名付けた猫。

ちょこまかと、のりべんとうである。