12月。

走り始めて8ヶ月になる。

ダメダメのグータラ人間の新記録である。かつてない事に奇跡とまで感じる。

今年は積雪のスタートが、遅いなぁ…

雪が降るのが、遅い分には、全く問題ない。

「もうしばらくこのままで…」

そう願った途端、一気に降ってきた。ちきしょう。

いきなりの雪景色。ここ数年は急に真冬になるから、油断ならない。

膝が痛い、かかとが痛い、「イタイイタイ」始まって、「無理をしない」という「やらない言い訳」に、乗っかりそうだったけど、なんとか振り払った。

残念ながら、走ることが楽しくてしょうがない、という所まで到達しておらず

仕事を終えた帰り道、「今日も走るのか…やだな…」と思う事もしばしば。

疲れて帰ってきた後に、鞭打つように走ってきたところへ、寒さも加わったとなれば、気合の入れ方に、もっとエネルギーが要る。

ランニングの気合の筆頭は、「ロッキー」だと思っていた。が、いささか現代風じゃないので、井上尚弥さんにした。

世界に誇れる日本の宝を勝手に使わせてもらい、走りながら「アヘアヘ」言ってきたら、「いのうえええ!」と気合を入れた。

これはいい。ガツンとモチベーションが上がる。声に出して「いのうえええ」と叫んてるわけではないけれど、世界戦に向けて一緒にトレーニングしてるみたいで、走りにエネルギーが宿った。

イメージで格好良くなった自分に、現実でも格好良くなりたい。

早速スポーツ店に行って、さらなる飛躍に挑戦する。

よく耳にするが、「形から入る」事はとても大事。

段々走れるようになる自信に比例して、ウエアは派手なものを好むようになり、

なかなか大胆な色を手に取って鏡に合わせてみる。

ピンク色を主体とした、その派手なウエアは、

「全然似合わない!」

志茂田景樹みたいなおばさんが映っていて、慌ててウエアをもとに戻す。

迷彩柄のカラーバージョンみたいなやつも手にとってみる。

迷彩柄は、目立たないようになっているのでは?これでは敵に見つかってしまう。

手に取った物一つ一つに、いいだけウンチクだけ言って、その日は何も買わずに帰ってきたのだった。