さて、いよいよ後半「悲愴」です。
これ割と好きでして。
そろそろ聴きに行きたいかなーなんて思ってた時でもありました。
随分御無沙汰してたから。
でも滅茶苦茶好きというわけでもなかったんだよね。
まずは冒頭、地の底からの呻(うめ)きにも似た沈鬱な低音の何と重厚なこと...
初っ端から引き込まれました。
続いて展開される憂いと悲しみを湛(たた)えた静かな旋律に含まれるはかない優しさ...
ううっ何て美しい...
(↑早くも酔いしれるカバ太郎。うーん...何かやっぱり似合わないような...)
ホットケ。
私だってどんちゃかやってる曲ばかりが好きなわけではないのだ。
(どんちゃか?)
いや勿論どんちゃかも大好きだが。
実際この第1楽章も中程からはどんちゃかに、いや決然として激しく展開していくのだ。
その際の猛り狂うような激烈さ。
血が、血が騒ぐ!
(↑一々敏感に反応する)
それにしてもこの極端なまでの対称性。
ああ、好みだわ...
さて「悲愴」とは言ってもずっと悲愴な調子が続くわけではなく、その中には楽しさも、憤りも、そして優しさもが内包されている。
そしてケンさんの指揮は楽しい所は思いっきり楽しく、怒る所は本当に怖いほどの迫力、そして悲愴な中にも密やかに息づく優しさは...
何と、何とはかない...
ああ、何という...
(↑カバの分際で酔いしれるカバ太郎)
カバが酔いしれてはいけないとでも?
(...)
こういうのを本物のメリハリというのだよ、カルマー君 。
(↑エラそうにたれるカバ)
それにしても何考えとったんだ、チャイコフスキーのおっさんは?
この曲、かなり変則的なのだ。
前回 、おじさんのブラの際心配になったのもこの点と関係する。
まぁこの曲では殆どいつも起こることなんだけど。
第3楽章が終わりに向けてやたらと盛り上がり、まさにフィナーレに相応しい終わり方をするのだ。
とにかくこの楽章は元気一杯でして。
ズンドコズンドコと行進していく感じ。
(ズンドコ節?)
...せっかくの雰囲気を壊すな!
終わりに向けてズンドコズンドコ煽られこちらもエッホ、エッホ、と目一杯盛り上がり、
(...雰囲気壊してるのは誰だ。サルの駕籠屋か、おまえは)
最高潮に達してフィナーレを迎える。
(↑無視して話を進める駕籠かきサル太郎)
その終わり方があまりに全ての終結に相応しいものだから、必ずと言っていいほど終わりと勘違いした客の拍手が起きかけるのだ。
今回も起こった。
ところがそのすぐ後にそれはそれは悲痛な嘆きの第4楽章が始まる。
なぜこのような紛らわしい形式にしたのだろう?
結局、どんなにカラ元気出しても絶望は去らないということか?
ううっ悲しい...
だがそんな悲嘆の中にさえはかない優しさがほの見える。
手を伸ばせば霞のように消え去ってしまいそうな、はかないはかない優しさが...
すぐそこに見えているような気がするのに...
手には入らないということか...
ああ、何と脆くはかない美しさか...
う、ううう...
(↑感極まるカバ太郎。駕籠かきはどうした?)
せっかくの雰囲気を壊すなというに。
もう、もう、涙出そうなほどでした。
終わった後はもう思いっきりフラメンコ叩き!
疲労は激しいし、腱鞘炎もまた悪化していて凄く辛かったんだけども、これだけの演奏を聴かせて貰ってカバにできることはそれ位だから。
もうね、ぜーはーぜーはーと肩で息をしながらも頑張って叩き続けました。
(そこまでせんでも...)
いーえ、精一杯のお礼です。
へとへとになったけど。
何で私の疲労が激しい時に限ってこうもいいコンサートにあうのだー!
でも、でも嬉しい!!
もう、もう、3階から(やっぱり3階かい)時期外れの愛のバレンタインチョコをケンさんの頬目掛けて思いっきりバシィッと投げつけてやりたくなってしまった。
(↑野生の愛情表現。因みにこの時念頭にあったのは数日前ドラッグストアのセールで買った78円の板チョコ)
それにしても...
あんな「悲愴」は聴いたことがない...
元々胸に迫る曲調ではある。
だが、ここまで迫ってきたことがあったろうか?
否。
何と様々なものが凝縮されていたのだろう、この曲には。
元々割と好きな曲ではあった。
テープも持ってる。
カラヤン指揮、ウィーンフィルの演奏で。
生でも何度も聴いてる。
だが、ここまでその魅力を引き出した演奏には出会ったことがない。
もう、もう、大好きだ!!
(今日は「もうもう」とうるさい奴だな。今度は牛にでもなるつもりか...)
...
もう1度聴きたい!もう1度聴きたい!!もう1度聴きたい!!!
(やっぱり「もうもう」言ってる...)
......
そして...これだけの指揮者に出会えたことが本当に、本当に嬉しい!
カバは嬉しい!嬉しい!!嬉しい!!!
(それこの前やってたぞ →都民芸術フェスティバル... )
嬉しいんだからしょうがないだろが!
ノセダさんも大!好きだけど、日本にだってこんなにも素晴らしい指揮者が、というかここまで私の好みの指揮者がいるなんて。
嬉しい嬉しい嬉しい!!
嬉しいのだー!!!
もうあんまり嬉しくてね、ぜーはー言いながら拍手してる時も「ブフッ、ブフブフブフ...」と笑いが込み上げてきて...
(...どういう笑いだ)
もう抑えるのが大変。
一人ニマニマしながら拍手していたカバ太郎でした。
(やっぱり不気味な奴...)
アンコールはブラームスの「ハンガリー舞曲」から1曲。
何番かは知らない。
5番じゃないよ。
普段、本編で感動した後、アンコールでその余韻を消して欲しくないのだけど、これは良かった。
何をやってもケンさんは素晴らしい!
やって欲しい曲が一杯ある。
あり過ぎて困る位だが、レスピーギ「ローマの松」やホルスト「惑星」をケンさんがやったらどうなるのだろうと聴きたくてしょうがない。
ラフマニノフの交響曲やP-コンも。
シューマンの交響曲やメンデルスゾーン「スコットランド」も。
リスト「ハンガリア狂詩曲」や「レ・プレリュード」も。
(それで絞ってるつもりか...)
とりあえず今月ドボルジャーク「交響曲第8番」行って来ます。
おっと、その前にもう1回都民フェスティバルのコンサートがあるんだった...
ああ、今月は何と充実。
忙しいのが困りものだが...
贅沢な悩みというもの。
ああ、幸せ...