地域猫と保護猫の違い | ねこなでライフ keyT:R

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猫と幸せな暮らしを

blog Number 055

 

 

地域猫と保護猫の違い

 

 

 

猫ちゃんを飼っておられる方には、もうご存じかと思いますが、あらためて「地域猫」と「保護猫」の違いを再確認してみます。

外で見かける猫には、地域猫と言う存在があります。野良猫でも屋外飼育でもない猫です。

野良猫の保護を目的として活動しているボランティアさんによってお世話されながら屋外で暮らしているのが地域猫となります。

昨今はテレビ番組でも、こう言った保護猫活動をクローズアップしたのが見られるので、そこから知った人も居るでしょう。

保護猫活動をされている団体は、NPO法人として活動しておられるのが多いです。基本、助成金などの国からの補助はありませんので、本当に猫を幸せに暮らしていけるようにすると言う目的の元、日々活動されておられます。

私どもは、そう言った活動には参加しておりませんので、いつも頭の下がる思いです。

 

 

保護猫とは 

 

大きく分けると、外で暮らしている猫で人の手を介していないのは、完全な野良猫となります。

それに対して、何らかの形で人の手を借りて暮らしているのが保護猫となります。

ボランティアさんは、地域に増える野良猫の過酷な現状を出来るだけ多くの猫を助けてあげようと言うのが目的です。

猫の生活だけでなく、地域に住む方々にとっても、ごみを散らかしたり、夜中に大声で鳴いたりと言う人の生活に迷惑となる行為も、猫を保護する事で理解を求めるものとなっています。つまり、人の生活と猫の良好な共存が求められています。

 

ボランティアさんは、野良猫が居るとまず捕獲する事から始めます。捕獲と言うと物騒な感じがしますが、いくら何でも外に居るままで猫を人に慣れさせるのは難しいもので、必然的に一旦捕獲して、しかるべき施設で保護する必要があります。

 

 

 

地域猫(さくら猫)とは 

 

譲渡会などで飼い主さんに引き取られた猫はその後、家猫として生活します。

しかしすべての保護猫が家猫への道を歩める訳ではありません。やはり未だに野良猫の数は圧倒的に多く、ボランティアさんのキャパでもすべてをカバーする事は出来ません。

そこで飼い主さんを探して引き渡すケースとは別に、捕獲した後、去勢や避妊処理、一部健康面のケアをした後で、再び敢えて外に解き放つのです。つまり、また野良に戻るのですが、その際にある目印を付けてから外に放ちます。後で説明しますが、これも保護活動のひとつとして、今では自治体も容認して活動に対して積極的に推進をしています。

地域猫となり、屋外で過ごす猫たちは、それ以上子供を産んで野良猫を増やさないと言う前提で、地域住民からの合意を得て、ご飯やトイレを決まった場所で施す事が容認されます。

それでも一部では猫が嫌い!と言う方も居られますので、理解を得られない場合もありますが、人はそれぞれに捉え方があるので、一概に批難出来るものではありません。あくまでも理解を求められた場合に限ります。

 

 

 

耳カットがさくら猫の証明書 

 

先の項で説明した、さくら猫として屋外に戻される際に施す目印について説明します。

去勢手術や避妊手術を施した猫には、目印として耳にV字型の切込みを入れます。その形がさくらの花びらに似ている事から、「さくら猫」と呼ばれるようになりました。

全身麻酔下で行われる手術は少なからず猫の身体に負担をかける事になります。可哀そうだなと思うのですが、しかしこれをしていなければ、野良猫とさくら猫の違いが住民には判断できません。必要不可欠なものなのです。

一般的に、男の子は右耳を、女の子は左耳をカットされています。

メスは術後の傷がきれいに治ってしまうと、外見からは手術をしたかどうかわからなくなってしまいます。
オスは睾丸が次第に委縮するので、時間が経つとお尻回りをちょっと見るだけでは性別がわからなくなります。

よって、同じ猫が再び捕獲・手術されてしまわないように、手術で麻酔が効いている間に耳をカットするのです。

「耳をカットして大丈夫なの?」

そう思われるでしょうが、猫の耳先は非常に薄いもので、血流も少なく、縫合しなくても止血後は次第に傷口が治って行きます。ですので、以降猫たちの健康面にも問題はありません。

 

ちなみにこれらの活動を、TNR活動と言います。

「Trap(捕獲)」

「Neuter(去勢・避妊手術)」

「Return(返す)」

の頭文字で、猫を捕獲(Trap)し、去勢・避妊手術(Neuter)をおこない、元いた場所に返す(Return)一連の活動を示します。

 

それでは、本ブログでお馴染みの猫たちを見てみます。

 

りゅう君:右耳カットで男の子です

 

メイ:左耳カットで女の子です

 

Qちゃん:右耳カットで男の子です

みんなさくら猫です。

さて、我が家の家猫のりんですが・・・・

 

 

りんはボランティアさんが保護活動をする際に、お母さん猫、姉妹猫、そしてりんの三匹で捕獲にあたったようです。

お母さん猫と姉妹猫は比較的簡単に捕獲出来たようですが、りんだけはまだ子猫だったにも関わらず、かなり慎重で警戒心が強く、恐らく一番頭が良かったのではないかと思われますが、なかなか保護出来なかったと保護主さんから説明がありました。

それでもようやく保護出来て、保護主さんの家で半年近く世話になり、譲渡会デビューしたようです。

つまり、りんは捕獲後、保護主さんを探す前提で育てられたため、耳カットはしていません。

家猫の場合は、ペットショップで買った場合や、譲渡会などで譲渡された場合等、一度も再屋外飼育にならなかったので、耳はカットされていません。時折、SNSで耳カットした猫さんを飼っておられる方もありますが、その場合はさくら猫をそのまま自分の家に招き入れたケースだと思われます。

 

 

 

家猫とさくら猫の同居に悩んでいます 

 

私共も、これまでブログで家猫のりん、さくら猫のりゅう君とメイをご紹介して来ましたが、三匹ともに私たちの家族としてとらえています。いずれはりゅう君とメイを家に招き入れたいと思ってはいるのですが、これには結構ハードルがあり、現在も思い迷っています。

家猫のりんは、実質野良の経験は生後1か月以内と想定され、言ってみれば外の世界をほとんど知らない猫です。

片や、りゅう君とメイはそのほとんどを外で過ごして来た猫です。はたしてこの両者が、家の中で仲良く過ごして行けるものなのか?

それ以前に、外の世界しか知らない二匹が、家で暮らす事に幸せを感じてくれるのか?

本来、家の中で一緒に暮らすのが、猫たちにとっては一番安全で少なからず幸せに生きていけると思います。それでも、ふと外の世界を懐かしんだりするのではないか?

実際、前に世話をしていた、今は亡きみぃは、家には馴染んでくれましたが、しょっちゅう、外に出たがっていました。

その辺りをちゃんと考えた上で、これからの事を考えて行きたいと思います。

 

最後になりましたが、猫を家族として迎え入れるのは命を預かるので、それなりに責任が伴います。自分たちの年齢や生活環境、諸々をちゃんと考えた上で、考えなければなりません。

今は空前の猫ブームではありますが、飼育崩壊、猫を虐待する等、本来あってはならないケースも見受けられます。今一度、猫たちとの付き合い方を再確認する事が大事だと考えます。

 

猫にとって、一番幸せに生きていける事が何よりも大事な事と思います。