空海が著す『三教指帰(さんごうしいき)』は戯曲形式(ドラマ)で書かれています。 | 神聖寺 隆健 090-3085-9732

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神聖寺 隆健 (しんしょうじ りゅうけん)
真言宗、法事と供養、仏教世話ばなし



上の梵字は私、隆健の筆による、サンスクリット語・般若心経からの一文字です。
ブログを途中からお読み頂いた方々の為に、過去のブログを、改めてご案内させて頂いております。なお、私のつぶやきは実生活には何の役にも立ちません。謝謝。
つぶやきを進めましょう。
空海が著す『三教指帰(さんごうしいき)』は戯曲形式(ドラマ)で書かれています。
登場人物(キャスト)五人の顔ぶれ名前が大変、ユニークで面白いです!

1 兎角公(とかくこう)・・・頭に角があるうさぎさん?
2 蛭牙公子(しつがこうし)(放蕩の青年)・・・牙がある蛭(ひる)さん?
3 亀毛(きぼう)先生(儒学の大家)・・・甲羅に毛がある亀さん?
〔上記の三人、まぁ~この世には有り得ない物ばかり!を名前にしています〕
さらに二人が登場します。
4 虚亡(きょぼう)隠士(道教の大家)・・・虚亡(きょぼ う)とは暦にある『仏滅』と同様の意味があります。

『仏滅』とは「仏も亡くなる最悪な!」との意味です。
「何も無し」の意味もあるようです。
5 仮名乞児(かめいこつじ):(乞食僧)・・・仏教僧。
乞児とは食を乞うて身を養い、仏道を修める人。
『仮名』の意味は「まぁ~名前なんぞは適当に!」と、なりましょうか!
そして『児』となっていますので「大人になりきっていない」の意味もあるような! 
深く考えれば、そもそも人間存在の基本とは、出生を表すところの『氏名(誰の子?)』などは何の意味もなし!魂は『覚り』を得るまでは六道世界を何度でも輪廻転生する。
今だけをとらえて何とする!・・・の意味もあるでしょうか!
これが合計五人の顔ぶれ名前です。

空海は18歳で大学寮(官僚出世)を放棄し、私度僧(放浪僧)となり究極の仏教を求めます。
世の中は錯覚で成り立っている、存在しないもので成り立っている。
それを知らずに、誰もが迷いの海で溺れている。
そんなまやかしに一点、針を打つ思いで、空海はこの戯曲を仕上げたのでしょうか!
18歳でこの戯曲を書き上げ、24歳の時に、この原稿に修正を加えたとされています。
18歳の時のタイトルは『ろうこ指帰』でした。
24歳で修正してからのタイトルが『三教指帰』となりました。
ありがたや!『ろうこ指帰』は真蹟が存在します!
う~ん・・・凄い迫力ある難しい漢字の羅列です!
注:『三教指帰』の本文内容の解釈は「筑摩書房『弘法大師 空海全集 第6巻 平成16年4月20日初版第5刷発行』を是非ご参照を。

『ろうこ指帰』も冒頭の『序』と末尾の『10韻の誌』が載っています。
『ろうこ指帰』第1巻の書き始め部分(=『序』)が『写真』(添付)となっています!
続く。
皆様、それぞれのティタイムを、お楽しみに