兄の努力が実る!実力者ヴァスバンドウ(弟)が唯識派に転向 | 神聖寺 隆健 090-3085-9732

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神聖寺 隆健 (しんしょうじ りゅうけん)
真言宗、法事と供養、仏教世話ばなし







明日より般若心経を覚えるべく、梵字の読み書きが始まります。その前に、美しい字を改めて紹介します。額などに入れて飾るのも素敵です。下駄箱の上も清潔な感じに見られます。
本日、掲載の梵字は、私、隆健の筆による梵字です。上段は阿弥陀如来。中段は金剛界・大日如来。下段は観音菩薩を意味する梵字です。

ブログを途中からお読み頂いた方々の為に、過去のブログを、改めてご案内させて頂いております。なお、私のつぶやきは実生活には何の役にも立ちません。謝謝。
さあ~つぶやきを進めましょう。

兄の努力が実る!実力者ヴァスバンドウ(弟)が、兄の説得に応じて唯識派に転向。
玄奘(三蔵法師)が漢訳した『瑜伽師地論』100巻は『弥勒菩薩(マイトレーヤ)』の創作とも言われます。
これは昔・昔からの言い伝えです。
定かではありません。
この『弥勒菩薩(マイトレーヤ)』の教えはアサンガ(漢訳名・無着)とヴァスバンドウ(漢訳名・世親)の兄弟に受け継がれました。
一説に『弥勒菩薩(マイトレーヤ)』がアサンガを見込んで、彼に憑依してその教えを伝授したとも言われています。

アサンガ(兄)は『瑜伽師地論』をもとにして、瑜伽行唯識論を研究していきました。
5歳~10歳年下のヴァスバンドウはアサンガ(兄)を師と仰いで誰にも理解できるようにと、兄の研究著作物の注釈書を作りました。

唯識学はこのヴァスバンドウの努力・功績によって大成したとも言えます。
ヴァスバンドウは部派仏教である【説一切有部】の優秀なアビダルマ学者でした。
No.1とまで賞賛されていたようです。
しかし、だんだんに、おなじアビダルマの学派である経量部に傾きました。

最後は兄のアサンガから大乗仏教の教義の深さを教えられて大乗思想に転向します。
そのときのエピソードに「説一切有部の教義を、今となっては、くだらない教義だったと、自らの耳を削ぎ落として瑜伽行唯識学派に入った」と伝承されています。
凄~いですね。こんな「気性の激しい天才的な実力者が、大乗仏教思想・瑜伽行唯識学派に引き抜かれて転向して来たのです。
一気に優勝戦線に真っ向、突入となりますよね。
ちなみに興福寺・北円堂の世親像には、耳があるのでしょうか?・・・