王様の耳は驢馬の耳 | 王様の耳はロバの耳

王様の耳はロバの耳

普段口には、しないで
済んでいることを
こっそりと、呟いて…

人は、誰もが
愚かしくも、
あまりにも、簡単に

与えられ具えていた、
徳や尊厳を自ら失くし
迷ってしまうことを
私が忘れぬ為に書く
普段は口にしないこと。


貴方の悩みが
停滞している時、

貴方が誰かが、
こうしてくれたら…と
思ってしまうのは
貴方の身勝手、
貴方の我儘

そんな思いに
囚われたなら先ずは

貴方が生きなくちゃ

貴方が今、
ソコを生き抜いて
貴方を生かして
あげなくちゃ。

どんなに清く
美しかった筈の
清流も

流れが留まれば
澱むから

貴方が、ソコに
新たな流れを生むために

今まで、ソコになかった
他の流れを引き込んで
澱みをどうにかしなければ

新たな流れを起こそうと
停滞したまま
流れを起こしても
底のヘドロが浮き上がる
渦を起こしてしまうだけ。

渦は全てを飲み込んで
全てをヘドロの底に
沈めてしまう。

焦って流れを
起こさなければと
思う時ほど

急がば回れ。

今の自分を肯定するような
流ればかりを引き込んで
自分の周囲に胡麻すりや
コメツキバッタを
増やすことなく

自分とは違う
今の自分には
厳しく恐ろしく感じる

貴方とは違う筈の
他者の迷い、苦悩、葛藤に
耳を心を澄ませると

貴方と大差のない
迷い、苦悩、葛藤がある。

だけれど、あら不思議

他人の迷い、苦悩、
葛藤を聴いていると

こうしてみたら…?
ああしてみたら…?と
ポコポコと

新たな、湧き水が
湧いてくる。

他者を導くために
湧いて来た筈の
湧き水を

他所に移しては
貴方は澱みの中に、
沈んでしまう。

貴方に湧いた
とても大切な湧き水が
何を清くするために
ソコに湧いて来たのかを

貴方が他者のために…
自らの力で
湧かせてみたのだ。と

主張するその姿は、
より一層
ヘドロに塗れる。

情けは人のためならず

この世で貴方が
出会った

誰かに支えられ
独りでは越えることが
出来なかったソコを

越えさせてくれるんだ。

澱む、貴方は
浅ましい

貴方の善さを
他者が気付き知って
くれたなら…と

ヘドロに塗れた姿で
一番、今それが
必要なのは
貴方ではないのか?と
尻込みする人に

貴方に湧いた
湧き水を差し出す
真似をする。

貴方が作った
泥団子を差し出して
美味しい美味しいと
食べたフリしてくれる

貴方を愛で
貴方の想いを汲んで
善い子だね。

さあこっちにおいで…と
導いてくれるような者を

貴方の悩みが
停滞する時に
求め欲してしまえば

貴方はヘドロの底に
独り沈んでしまうだろう

優しい優しい
貴方が求めているような人が
今、ソコを一人で
生き抜くことが敵わない

貴方を何処に運ぶのか

貴方がエゴ、我
欲に淀んだ思考に
囚われたまま

貴方が、善かれと
他者に、貴方に、湧いた
湧き水を差し出しても

それはあまりに
自己犠牲的に映ってしまう。

この世のソコに在る
今の貴方が 
どのような者か

澱んだ世界に囚われて
自分は過去の自分と
何ら変わっていないのに…

自分の周囲に在るモノが
変わってしまった。と
思い込んでは澱んでいく。

自分の周囲に在るモノは
今の貴方の姿を
映し出すモノばかり

類は類

自分の周囲に在るモノを
今の貴方が不服に想う時

自分の周囲に在るモノに
貴方に湧いた
湧き水を差し出しても

今の貴方には
自分の周囲に在るモノを
変えることは敵わない。

何故なら
今の貴方にそぐわう
存在がソコに居るのだから

貴方に湧いた湧き水を
貴方が貴方に用いても

ヘドロに塗れた
貴方にそぐわっていた
貴方の周囲に在るモノが

まるで舟幽霊や
琵琶法師を拐かす
亡者となって
貴方に付き纏ってくるように
感じることもあるだろう

それは必然
それは感傷
貴方が夢が欲
過去の貴方の愚かしさ

どんな清流も
留まれば澱む。

他者を見下すことなく
舟幽霊や亡者を労り
過去の愚かしい自分を
想い出しながら

舟幽霊や亡者が
成仏するような言霊を

貴方が綴ることが
出来ることが大事。

舟幽霊や亡者には
届かなくても当たり前

ソコには
新たな湧き水を
清いと信じることが
出来ない

過去の貴方の姿が
重なるだろう。

放って置けないと
想うのは

今の貴方が、
そんな過去の自分の
弱さを引き摺ったまま
決別できずに

過去の自分のような
弱さを救おうと
ヘドロに塗れた姿で
貴方に湧いた湧き水を
他者に差し出す。

それを受け取る他者が
それを清き湧き水と信じ
受け取っては

澱み停滞していた
貴方の周囲に留まらず
違う方向へ流れ出す。

貴方が、その背を
見送ることが出来るなら
貴方が、差し出した
湧き水は本当に
清き湧き水だったのだろう

ヘドロに塗れた貴方が
他者に差し出す
貴方に湧いた湧き水に
貴方が欺瞞
貴方が他者を
今の自分にそぐわった
あり様に変える想いが

ほんの一滴
込められていれば

貴方は流れを生むだろう
停滞し澱みきったソコで 
うねりを起こし流れを生んで
大きな渦を作り出し

澱んだ貴方の
ソコに堆積していた
ヘドロを垢を汚れを
水面に浮き上がらせて

今、ソコに在る
貴方が選ぶ未来を
示してゆく。

舟幽霊や亡者となって

誰かや何かに
付き纏う。

煩わしいと
人でなしが姿を汚れを
己が欲を優先する者ならば
簡単に引き摺り込めるのに

自分の周囲に在るモノが
他の誰かに舟幽霊や
亡者のように
思われていても

同じ人だよ。
大丈夫だよ。と
引き込まれることもなく
誘われ拐かされることもなく
強いモノに巻かれることも泣く

自分の周囲に在るモノに
今、救われ
支えられ、生かされている
自分に気付くことが
出来る者には

舟幽霊、亡者が
この世にそのような姿で
在ってくれることも
自らの戒めを守るためには
丁度よい。

自らが他者に齎そうと
湧かせた湧き水を
自らに還元出来ることは
有り難く。

自らに還元
させてゆく時にはもう

ソコに居た
他者から遠く離れてゆく
自分を感じて

そうした時に
他者を放って置けないと
新たな流れから

ヘドロの中に
飛び込む者が
どうなってしまうのか

舟幽霊や亡者に
絡まれても
労り寄り添い

欲を持たずに
供養を捧げることが
出来るくらいで
丁度善い。

まだ、見ぬ
まだ、知れぬ未来へど
流れていっている
今の自分に気付き

まだ流れに
のっていることに
気付けるくらいで
丁度善い。

自らが知っているところに
留まろうとして
自らが先が見えぬことを
畏れて二の足踏んでは

今、自分の周囲に
在る者の顔ぶれを見て
安堵するよりも

今、自分の周囲に在る
顔ぶれも、
変わってゆくことに
気付けている位が丁度善い

舟幽霊や亡者が
悪戯たぬきのように
やってくる。

何処にいっても
湧いてくる。

何処にでも在る
人間らしさ

人間という生き物が
有している弱さ

舟幽霊や亡者に
供養を捧げながら
疎まず、今を生きれることが

自らに湧いた湧き水を
自らに還元し循環させて
丁度善い塩梅に
貴方自身を調える

無理もなく
歯を食いしばることもなく
粛々、たんたんと
難もなく

貴方の心を調える
何に絡まれることもなく
何に掬われることもなく

この世の何処かで
停滞し
澱んでしまうこともなく
流れ続ける。

舟幽霊や亡者を
憐れみ停滞し
澱んでゆく者がある中で

もちろん舟幽霊や
亡者を憐れみ
停滞し澱むところなく
自らに従わぬ
舟幽霊に亡者を

我とも共
焼き尽くしてしまうような

不動明王のような
立派な人も在るけれど
そんな人は一握り

業火を纏い
還って来れたつもりで
舟幽霊や亡者に
感化され染まり誘われ
拐かされて

次第に
この世に在る
その身姿を
舟幽霊や亡者のように
変えてゆく者が殆どだ。

舟幽霊や亡者を観ては
湧いてくる想い

舟幽霊や亡者を
弔うように供養を捧げ
自らが背負い務めて

己が今、ソコを
そのように
務めさせて
貰えていることにより
今も人として
生きれていることに
気付ける位で
丁度善い。

御鉢は出来る者のところに
回るようになっている。

だからこそ
いつ何が巡っても
舟幽霊や亡者が巡って来ても

停滞することも
澱んでしまうこともないように

自らを生かす湧き水が
どのような者のおかげで
己の内に湧いたのか
気付けている位で丁度善い。

誰を何を助けれずとも

供養を捧げることは
出来る
自分を有していることが
有り難い。

縁は巡り
今の自分の姿を
映す出すモノが

自ずと、己が周囲に
集まってゆく

それに不平不満
不服愚痴を零しては

優しすぎる
欺瞞的な人が
寄って来る。

中には
己が善い塩梅を心得て
感化されず
誘われ拐かされることもなく
自らが引き際弁えて
自らを戒め務め
生きている者も在る。

舟幽霊、亡者へと
己が姿を
変えてしまわぬように

この世を
生きている者がある

舟幽霊や亡者が
直ぐソコにいても

目を伏せ黙し
コツコツと
進んでゆける者が在る。

人として
己が我欲、エゴに
固執してしまうことは
とても侘しいことだ。と

供養を捧げて弔って
流れゆく灯籠
見送ることが
今の自分が出来るくらいで
丁度善い。