金曜日の仕事終わりに職場では岸田政権が今月から実施する所得税減税について話題になっていた。若いもんがその基準、仕組みについて疑問に思い職場の先輩や上司に質問していたら、間が悪い事にそこに偶然私がタイムカードを押すために入室してしまった。


 私は職場では政治に詳しい人、国の政策に精通している人だという風に思われている様だ。それは私に原因があって、その職場に配属になって早々に複数人に今の日本の政治について熱く語ってしまったからだ。今の私は日本の政治に最大限に関心を寄せ、政府がやる政策について批判的な思いを常に持っている。そして、自分なりに国が今やるべき政策はこうだというモノも持っている。しかし、その若者が知りたい内容は扶養家族の人数によって変わる減税額についてだった。そんな経理、会計に関わる様な細かい所までこの私が熟知している筈もなく「所得税の減税なんだから、扶養家族の数によって減額される金額が変わるんだろう。」と誤魔化す様な事を言わざるを得なかった。


 岸田政権が行う政策は全てが詐欺である。今回の所得税減税も誤魔化しに過ぎない。私がやった誤魔化しとは次元が違うもので、最大限に日本国民を裏切り見捨てる事ばかりをやっている。それを何となく大多数の日本国民も勘づいてはいるが、確信を持てないのである。その理由は失礼な言い方になってしまうが、情報弱者だからだ。主にテレビで情報を得ている人は"どうしようもない情弱"なのである。コレを言うと「オマエは何様なんだ?」「そんなにお前はエライのか!」と聞いている人から反感を買うだろう。


 「その通り!!」


  私も過去のある時点まで「どうしようもない情報弱者」の代表だったのだ。私の様な初老が今の若い世代に迷惑をかけている事は事実である。若い頃の私は小泉政権が押し進める派遣法改正を素通りして選挙すら行かずに遊びほうけていた。そして今私はその派遣地獄から抜け出せずにあくせく働き続けるハメになっている。運輸業界はよっぽどの大手でない限り正社員であっても大した給料にならない。国が規制緩和した事で運輸業への参入が増えて過当競争が激化した結果トラック運転手の給料が減っていった。そして今も働き方改革なる名の下に残業規制が行われて更にトラック運転手の手取り額は減少して行く。


 これくらいの知識は意識して情報収集すればスマホだけで得られる事で大した事でもない。大切な事はそこからどう考え行動に移して行くかである。しかし、今の私がやっている事はインターネットで得た情報をそれを知らない人たちに自慢しているだけである。それでは何の解決にならないどころか逆効果であろう。しかし、人は周りがまだ知らない事を先に知ってしまうとここぞとばかりに自慢げに語ってしまうのだ。国の政策や日本の歴史について私より詳しい人は五万と居る筈であるのに、自分の周りが自分よりかは無知で、自分がある程度の情報を持っていると"つい"上手に出てしまう。そして、知らない事まで知ったか振りをしてしまう所が私にはある。


 こんな私は仕事から帰る道中も、帰宅してから家事をしながらもずっと「私だけが知っている」と勘違いした事を考え、思いを巡らせ続けていたのだ。その行為は治まる事を知らず家事がひと段落してゆっくり湯船に浸かっている時間でさえひたすら思いに浸っていたのです。その時の私は何か気分が高揚していた感じで仕事の疲れも感じずに一人で「あ〜言えば良かった。」とか「言っても分からんだろうな」とか思い続けていた。私にはそれが楽しくもあり、苦痛でもある。こんな事を態々ブログにするのも私が無駄に考えるのが趣味の誇大妄想狂だからでしょう。


 自分の思っている事は実行できて、形になってこそ本当のモノです。私の様に理屈をこねるばかり、理想を唱えるばかりで終始してしまう事は、実現は出来ずとも口だけで支援者を集める何処かの政党や新興宗教と同じで怪しいものです。