グローバリズム


 グローバリズムは世界を一つの価値観で統一して、お金を持っている者や権力を持っている人が優位に立ち、その他大勢を服従させる事だろうか。この世を支配する人はお金を持っている者と言うより、お金を自由に生み出す源泉を持っていると言った方が正確かもしれない。お金を沢山持っているからと言って全て悪人と言う訳でも無く、お金を生み出す源泉を持っているから悪と言う事でも無いでしょう。


 大国の中央銀行を押さえている者たちはどんな思想を持っているのでしょうか。彼らがやって来た事を見ていると「支配する支配される世界」にあってどうしたら自分たちが支配する側に回れるか試行錯誤して、その結果上手く行って成功体験を積んで来た事が"ある思想"を産んだと思う。お金の魔力に目をつけた事が彼らが成功した理由ですが、それも彼らが置かれていた境遇による所も多く、決して彼らだけが偉い訳でも凄い訳でも有りません。しかし、彼らは自分たちこそが特別な存在だと思っているのではないでしょうか。そして、世界のその他大勢の中にも彼らをグローバリストやこの世の支配者などと呼び特別な存在だとしてしまっているのではないでしょうか。


 お金を生み出す源泉


 お金を生み出す源泉は通貨発行権を持っている事です。通貨発行権を持っているのは国民国家です。国は銀行に借りなくとも自ら通貨を発行する事が出来ます。例えば我が国日本は造幣局で硬貨を作って国民に供給しています。紙幣は日本銀行に国債を買って貰う形を取り、国立印刷局で紙幣が印刷されています。政府紙幣の議論が有りますが、日本銀行券は実質的に日本政府が発行する政府紙幣です。形、形式に惑わされない事が肝要です。


 形、形式に惑わされないと言っても普通の思考回路だとそれが当たり前の事であって、自然な事です。日本政府の負債を国の借金と呼び返済しなければならないと思い、大変だと感じる事もある意味自然な事でしょう。ここで本質的理解が必要になって来ます。お金の正体を知り、それが生み出される仕組みを理解する事です。それと同時に通常お金がどんな使われ方をして、それを使う人々がお金の事をどう認識しているかも重要な点です。その両方を理解しているのが国際金融資本家と呼ばれる人たちでしょう。だから、彼らはアメリカの中央銀行を所有する事にこだわったのです。大国アメリカの中央銀行を押さえるという事は、イコール世界を支配する事に繋がるからです。勿論、それだけでは世界支配は出来ません。他の要素も組み合わさりアメリカが世界の覇権国となりました。


 ディープステート(闇の政府)


 アメリカの覇権国としての歴史はグローバリストの歴史と言っても良いでしょう。表向きアメリカが権力を振るっている様に見えますが、大国アメリカを影で操る存在があると思います。ディープステートと呼ばれる闇の政府が存在するというのは陰謀論ではなく、一つの見方です。ディープステートと言うとフワッとしたイメージでかなり抽象的です。ですから、ハッキリと定義した方が良いと思う。私の思うところは、ディープステートは官僚(組織)です。日本であるなら財務省や厚労省です。普通に役所の事ですが、日本に限らず国家の官僚組織はある意識を持って行動しています。


 価値観としがらみの支配


 森永卓郎さんが財務省の事を指してザイム真理教と呼んだりしていますが、それ程までに日本の役所である財務省の体質は最悪なのです。彼らは日本が財政破綻しない事を知りながら、国民一人当たり1000万円の借金と言って国の借金で国が大変な事になると言うイメージをメディアを使い国民の意識に植え付けます。お金の本質について普段から考えた事の無い日本国民は、税金が増えるのも仕方ないと思ってしまう。財務省の働きかけもあり日本政府は財政出動を減らし増税した結果、日本は経済成長しない国となりました。国民が苦しみ喘いでいるに何故日本政府は増税ばかりするのか。それは日本政府が財務省に逆らえない事情が有り、財務省には守るべき伝統があり、ルールがあり、それが彼らの呪縛になっているのです。財務省は財政法4条に縛れ、それを守る事を使命だとし、増税に貢献した職員は出世するという文化がある。財務省の官僚、職員たちには絶対的な価値観という呪縛があるのです。


 トランプ政権時に司法長官に任命されたのは、トランプの最も信頼する人物であった。しかし、彼が就任してもトランプが望んでいる仕事を司法省は全くやってくれない。司法省の下にあるCIAやNSAはおろか司法省の高官・職員はトランプが任命した司法長官の指示を無視し続けた。司法省の役人にも日本の財務官僚みたいに固い信念の様な価値観があるのだろうか。特にCIAは独自の意思決定で動いている様に見える。そして、彼らに大きな影響を与えている存在が黒幕なのではないだろうか。お金を与え、彼らが彼らの地位や名誉を守る為にある価値観で縛る手法を取る。日本風に言うなら"大人の事情"と言ったもので「大人になれ」と言われたりする。


 ネオコン


 お金に釣られて動くのは理解しやすい。しかし、価値観に縛られて動く者たちを理解するのは難しい。共産主義思想を良いと思う人々は世界中にいる。日本国民の大半は共産主義と聞いて良いイメージを持たないだろう。それは中国の悪いイメージがあり、崩壊したソ連がやって来た悪事を知っているからだ。しかし、それは日本メディアから得た情報であって、必ずしも正確なものとは言えないだろう。日本共産党は共産主義を良いものだとしている。彼らは日本を共産主義国にしたいのだ。それを良い事だと真剣に思っているだろう。ソ連や中国の実例を出して共産主義を否定しても、彼らはそれを真の共産主義とせずに失敗例だと主張するだろう。共産主義を例にしたが、人が自分の価値観を信じて絶対化する能力は凄まじい。


 善意という宗教


 「地獄への道は善意という名の道路でキレイに舗装されている。」という言葉がある。共産主義に限らず世界中で起きている残酷な事は人々の善意が発端になっていると思う。コロナ禍はまさに「それ」であった。人は「良い」と思えば、他人にも通じると誤解している。人には価値観の違いが有るのだから、私の良いが貴方の良いとは限らないのだ。これを理解している人は少ない様に思う。そして、その自分だけの価値観を他人にまで強制する人たちもいる。それがグローバリストである。


 共産主義は元々はグローバリストが作ったとする意見があるが、どんな思想であれ他人に強制する事は争いを産む。波風を立てずに人々にある価値観を植え付ける手法が考えられるのは自然な成り行きで、LGBTも人の「差別は良くない」と言う思いや他人に「レイシスト」と思われたくないという心理を利用した巧妙な誘導だと思う。一種の洗脳、騙しだと言っても良いだろう。そして、自分たちの価値観を多くの民衆に根付かせ、浸透させる為にメディアを使ってやっている。


 人は自分が良いと思う事、名案だと思っている事を他人に押し付けたがる生き物だ。この事が悪そのものだと気付いている人は少ない。参政党の騒動に詳しい方なら武田先生が何故あんな発言をしているのか考えた事があるだろう。私は武田先生のケースもこれに当てはまると思う。今の参政党関係者のSNSを見ていると日本保守党との言い争いが激しくなっている。これも同じ事と見ている。両方ともね。参政党支持者の場合は「反グローバリズム」と言いながら、本質的にグローバリストと同じ事をしていては本末転倒だ。